県道37号線の旧鹿路トンネル(きゅうろくろとんねる)は、
桜井市と吉野町をつなげるために、山道に作られた
照明の少ない不気味なトンネルで、
焼死体が発見されたことがあるとか、
幽霊を見たとかそんなで知られていました。

旧鹿路トンネルのある区間は急勾配の狭い山道で、
見とうしも悪く整備もあまりされていない、
酷道と呼びたくなるような道でした。

走行するのが難しい区間だったので、
新たに走行しやすい道路を作り。

旧鹿路トンネルのある区間は旧道として、
地元の人だけが使う道路になり。

新道を作るの計画の一環だったのか、
旧道が整備された時に、
旧鹿路トンネルもキレイになったようです。

N君達が旧鹿路トンネルを訪れたのは、
キレイになったトンネルが、
かってほどの恐ろしさが無くなったと聞いて、
それならヤバイ目にあうことは無いだろうと考えたからでした。

N君達がトンネルの入り口に着くと、
土を補強しているコンクリ壁は苔で覆われ、
トンネル内の壁も水が染みていて不気味な雰囲気があります。

遠くに照明器具の小さな光が並んでいるのが見えますが、
出口はまだ先の方にあるようで、
入り口からは見えません。

今も怖いんじゃないかと思いながら、
N君達は車に乗ったままで旧鹿路トンネルに入ったのですが。

トンネルに入った瞬間に車内の空気が冷たくなり、
トンネルに飲み込まれているような感じもあって、
N君の手は震えていたそうです。

走行する車から見ると、
小さな照明器具に浮かぶ壁のシミが気味が悪い
N君達がそんな話をしていた時です。

車の中で何かが軋んでいるような、
キィという音が聞こえてきて、
それはトンネルを抜けるまで聞こえ。

N君は手の震えが止まるほど体がこわばり、
誰も言葉にはしませんでしたが、
車内はヤバイぞどうするんだという空気で。

旧鹿路トンネルを桜井市側へ抜けて、
すぐに集落が見えた時の安心感に助けられたそうです。

出ると噂されている場所は、
見た目がキレイになってもヤバさは変わらない

N君が言った言葉が、
私の印象に強く残っています。

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