まわりの木が邪魔で景色がいまいちだった
長野県三才山(みさやま)の展望台が、
木を整理して見晴らしが良くなったと聞いたので、
どんなものかと確かめに行った時の話です。

美ヶ原スカイラインから脇道に入って、
車がやっと通れる狭い道を進むと、
骨組みだけの塔が見えてきます。

この骨組みだけの塔が全国殉国学徒英霊慰霊塔という、
第二次世界大戦のときに戦争の犠牲になった
学生を慰霊するために建てられ塔
です。

何故かこの塔の上に展望台と、
慰霊碑が置かれています。

テーマパークにある
バンジージャンプのような見た目なんですが、
デザイン性があって古代の神殿を思わせるような
雰囲気を持っています。

塔をのぼっているとどこからともなく、
金属で出来た風鈴のような音が聞こえて、
ビクッとしてしまいました。

塔の上に鐘があるとは知っていたので、
多分その鐘が風に吹かれて鳴っているんだろうとわかっていても、
こんなところで音が聞こえると驚いてしまいます。

山と共に市街地を一望する景色は昼間でも良い眺めで、
夜景もすごく良いのだろうと想像していました。

風になびく鐘の音を注意して聞いてみると、
堅いもの同士がぶつかったような、
小さく「コ」という音が聞こえることに気が付きます。

鐘の構造からそういう音が聞こえるのかなと思って、
注意深く鐘の動いている部分を見ていたのですが、
「コ」という音は鐘からは聞こえていません。

塔の骨組み辺りから音は聞こえているのですが、
辺りを見てもどうして音がするのか原因はわかりません。

「コ」という音は聞こえなくなっていたのですが、
嫌な胸騒ぎを感じていた私は急いで塔を降りました。

この後に旅行で訪れた場所に慰霊碑があったのですが、
私は全国殉国学徒英霊慰霊塔の事を思い出して、
なにか起こるのではと身構えるようになっていました。

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