日本本土かつ大隅半島最南端に位置し、
パワースポットと言われる御崎神社が所在する佐多岬

数年前に、ここに久しぶりに旅行に行った友人Aから聞いた話です。

Aは数日休暇が取れたこともあり、
久方ぶりに佐多岬に旅行に行きました。

佐多岬ロードパークを通って佐多岬駐車場で車を降り、
御崎神社佐多岬などを巡りました。
その日は駐車場にはA以外の観光客はいなかったようです。

かつては観光地として賑わい、
観光施設が充実していましたが、
近年はバブル崩壊後の「失われた20年」の影響もあり、
以前Aさんが来たときにはあったレストランや展望台は
すっかり更地となっていたようです。

また、道中に明治の廃仏毀釈により破壊された
仁王像が打ち捨てられている
こともあり、
昔観光に来た時とほぼ変わらないガジュマルやビロウといった
自然風景とは対照的な諸行無常の地という雰囲気が出ていたとか。

Aさんは佐多岬や御崎神社などを回った後、
駐車場の車に戻りました。

来た時には晴れていたものの、車に戻るころには天候も変わり、
今にも雨が降りそうな空模様になっていたようです。

往復の疲れもあってしばらく車内で休んでから
帰途につくことにしたようです。

寝るつもりまではなかったものの、
いつの間にか寝ていたのだそうです。

Aさんが目を覚ましたのは、不気味な視線と
嫌な雰囲気を感じたからだった
と言っていました。

時刻的には夕暮れでありながら、どんより暗い雨空の中、
「何か」が車の外からAさんを見ながら佇んでいたようです。

Aさんは直感的に目が覚めたのが相手にバレルとマズいと感じ、
寝たふりをしてやり過ごすことにしました。

しばらくすると、
「何か」はAさんの車の中を凝視していたそうです。

まるでAさんが起きるのを待っていると言わんばかりに。

どれほど時間が経ったかわかりませんが、
待ちくたびれたかのように「何か」は
駐車場近くのトンネルの方へノソリノソリと
重い足取りで入っていった
そうです。

Aさんは後をつけてみようとも思ったそうですが、
そのトンネルは夜間立ち入り禁止の上、
トンネルを出た先には昔不幸な最後を遂げた人の
幽霊が出る噂があったトイレが所在
していたのを思い出したAさんは、
深追いすることを避けて、そのまま帰途についたそうです。

因みにAさんはその幽霊の話以外にも、
今はなくなった展望台でカップルの幽霊が出た噂
灯台の崖付近での火の玉の噂を過去に耳にしていたようですが、
その時はそれらには遭遇しなかったそうです。

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