友人とふたりで東大阪の夜道を歩いていたのは、
人の顔が浮かぶ人面電柱と呼ばれる電柱を見るためでした。

きっかけは、
お互いがこの電柱に持っている印象が違うから、
もしかしたらシミの形が日によって違うのかと思い、
確かめに行こうとなったからです。

車の販売店の向かいの歩道、
信号近くの電柱には女性の顔が染み付いている

事故で亡くなった女性の霊が、
車への憎しみを電柱に残しているから、
電柱のシミが女性の顔になった

人面電柱がうまれたいきさつは、
ふたりとも同じ内容を知っていたのですが、
電柱に浮かぶシミを見た印象が全く違っていて。

私にはこちらを睨みつけているように見えて、
友人は穏やかで優しそうに見えたと言うのです。

出発の時にはそのうち雨が降りそうな天気で、
人面電柱近くでポツポツと雨が降り出していたので、
私たちは早足で電柱に向かいます。

シミが濡れる前に電柱にたどり着きましたが、
電柱のシミは以前見た時と同じで、
私にはこちらを睨みつけるような厳しい顔に見えます。

「やっぱり私には、睨んでる人の顔に見えるよ」
「いや、こっちから白い所を注意して見てみなよ」

確かに友人のいうように、
車道から遠ざかる位置に動いて、
白い部分を注意して見ると、
何かを抱えている人の姿のようにも見えます。

赤ちゃんを優しく抱いて見つめている、
優しそうなお母さんに見えない?

ちょっと見方を変えただけなのに、
私が目や口だと思っていた黒いシミが、
何かを抱きかかえている部分に見えてきます。

幽霊=怖いと思っていたから恐ろしい顔に見えていたけど、
実は事故が起こらないように見守っているのだろうか。

そう思っていると、
雨足はだんだん強くなっていって、
電柱のシミは雨で見えなくなっていきます。

本格的に降りだす前に帰ろうと、
私たちは来た道を引き返したのですが。

しばらくして、
ふと人面電柱を振り返ると、
電柱の影に人影が見えます

私は友人を呼び止め、
電柱に引き返しましたが、
それらしい人影は何処にも見当たりません。

雨の日に幽霊が電柱から出てくるという話がありますが、
私が見た人影がその幽霊だったのかもしれません。

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