両親の実家が青森
恐山には観光&先祖の供養がてらに出向いていたのですが
心霊体験をしたのは、後にも先にも、これ1回のみです。

小学生の時、毎年のように恐山での観光と参拝を終わらせ
母方の実家へ帰る途中の山道での恐怖体験です。

恐山自体、山という事もあってか元々天気が変わりやすい場所なのですが
その日は現在で言うゲリラ豪雨(当時少なかった)に見舞われ
車のワイパーが激しく左右に振れ
それを見てウトウトしていたのを覚えています。

運転していた父も珍しく強い風を伴う集中豪雨に多少苛立ちながらも
順調に山道を下っていっていたかと思っていた矢先
父が急ブレーキを踏み、目が覚めました。

雨も手伝ってかタイヤと路面の摩擦音が強烈に何も無い山道に響き
「危なかべし、このおなごは!!」(危ないだろ、このアマの意)
という父の罵声の先に見えたのは、無表情の女性

それなりのスピードで走っていたので、大抵まともな人であれば
車が目の前にバっと現れれば驚きの顔をするなり、表情に異変が有るはず。
しかし彼女には有りませんでした。

整備された車道とは言え、山道を歩いているにも関わらず
白っぽいワンピースのような、白装束のようなシンプルすぎる服装。
傘はさしていませんでした。何せ突然の雨、止むを得ないでしょう。

車には見向きもせず、彼女の目はただ俯き
力無く、強い風と雨の中、彼女は恐山に向かって
うつらうつらと歩き出しました。

父は相変わらず彼女に対して怒りの言葉を車内でぼやいておりました。
母はただならぬ雰囲気を察しており、父に警告していましたが
「どーせ男にでも振られて、こったらとこさ歩いてらったんだべ。こんばかくさい。」
(どーせ男にフラれて、こんなとこ歩いてたんだろ。馬鹿馬鹿しいの意)
と意に介さず。

私も母と同じ思いを感じていたので
歩き去る彼女を動き出した車内から眺めていたところ、妙な点に気付きました。

強風だったにも関わらず、髪、衣服がまったく靡いていなかった。
強い雨だったにも関わらず、髪、衣服、まったく濡れていなかった。

前述のように急な雨だったら濡れていない可能性も有るかと思われますが
行った方なら解ると思いますが、山の麓から恐山本堂までは
雨風凌げる様な場所は存在しません。

そして私達が彼女に遭遇したのは本堂に近い道でしたので
麓からは大人の足でも所要時間1時間は下らないでしょう。

「え?何で?何で?」と子供ながらに必死で考えましたが答えは出ず。

そうこう考えている内に、彼女は山道カーブ手前で
炎が消えるように居なくなってしまいました。

カーブの多い山道。雨と風のスリップしやすい状況。
彼女は私達に何か災いを起こさせようとしたのか、はたまた防いでくれたのか。

それともただ、本堂に集う数多い霊魂の一人だったのか。

あれから30年近く経っていますが、あの日の出来事は忘れられません。

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