これは先輩から聞いた話です。

今から10年位前、先輩が男女4人で肝試しに行こうという事になり、
車で埼玉草加聖地霊園に行ったそうです。

時間は深夜に近く、完全に面白半分だったそうです。

霊園に入ると不気味さはかなりあったようですが、
友達も居るとあってか、楽しんでいたそうです。

辺りは見渡すかぎり墓だらけ。かなり広い霊園だったそうです。
先輩たちは以前から草加聖地霊園の噂を聞いており、門から子供が見てるとか、
全身黒焦げの死体が立ってるとか、地元でも有名な心霊スポットとのことでした。

その中に9区と呼ばれる場所があり、
なんでも不幸な亡くなり方をした人がいるらしい、
特に不気味な場所があるとも聞いていたそうです。
先輩たちは迷わずその9区に向かいました。

雨がシトシトと降ってくる中、暫くその9区に居ましたが、
飽き始めた友達の1人が「もう行こう」と霊園の出口に向かおうとしましたが、
なぜか先輩だけ動けなかったそうです。

友達に無理矢理引っ張られても、
凄い力で座り込み先輩はそこを離れようとしなかったそうです。

何故か悲しい気持ちが押し寄せてきて、
ずっとそこに居たいと強く思ったそうです。

そのうち友達3人がかりで無理やり立たされた先輩は、
突然物凄い勢いで霊園中走り回ったそうです。

「ここにいたい」と泣き叫ぶ先輩を、ようやく友達が抱え車に乗り込みました。
車に乗っても先輩は、「帰りたい、帰りたい」と連呼し泣いていました。

記憶はあったようです。
涙が止まらず、とにかく霊園に居たかったと言ってました。

関連する心霊情報