これは、会社の人から聞いた恐怖体験談です。
それは、東日本大震災が起きて3ヶ月程たったあたりです。

岩手県でもようやく車がまともに通行できるようになったばかりの45号線。
私の勤めている会社は日勤夜勤の二交替制で、
もちろん夜、水海トンネルを通り、帰る人も居たのです。

その日は霧がとても酷く、視界がとても悪く、やや肌寒い日だったとのことでした。
ちょうど水海トンネルに差し掛かるあたりで、中年の男性が歩いていました。

会社の人は、この時間歩きは大変だろうと思い、車を止めて話しかけたのです。

会社の人「この時間、歩きでは大変でしょう。乗せていきますよ」
中年男性「助かりました!ありがとうございます!」

中年男性を後部座席に乗せ、車を出した。

会社の人「どこまで行きます?」
中年男性「大槌町のジョイスの辺りまで」

会社の人はそこまで雑談をしながら車を走らせた。

会社の人「本当にここでいいのですか?」
中年男性「はい、本当にありがとうございました」

中年男性は、車を降りて深々とお辞儀をして、その場を立ち去った。

会社の人は、ゾッとして急いで車を出した。
なぜかって?

そこの周辺には住居は全くなく、前を歩いていた男性の姿が突然消えて行ったのだから。

その後、会社の人以外にも、
タクシー運転手も同じような事を経験したという話も聞いたことがあります。

東日本大震災で亡くなった方が、
自分の家に帰りたくて、そのような手段を用いて帰っているのかもしれません。

ご冥福をお祈りします。

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