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青森県青森市の浅虫温泉に、
昔「浅虫ワンダーランド」という遊園地がありました。

近くには旅館や水族館があり、観光地として流行っていた時もありましたが、
徐々に廃れて、あっという間に廃墟になりました。

今は入口付近から中を覗くことしかできませんが、雑草は伸び放題で、
壊れた遊具が傾いているのを見るとなんとも言い難い郷愁を感じざるを得ません。

僕もかつて、幼い時分に親に連れて行ってもらった記憶があるだけに、
廃墟と化した遊園地を心霊スポットとして見るのは気が引けました。

3年前、卒業した高校の同級生が久々に集まるというので、
折角だから、部活の合宿を思い出して旅館に泊まろう、ということになりました。

何軒も旅館が廃業し、いざ行ってみると、
廃墟化した旅館の多いことに驚きました。

夜、22時頃だったと思います。

「なあ、まだ寝るには早いし、ちょっと散歩しねえか?」
と誘われ、全部で7人いた友人のうち、僕を含めて3人だけ抜け出し、
ふらふらと歩き始めました。

花火大会や海水浴の時期なら観光客もいるけれど、
それ以外の時期は全くと言っていいほど人がいない。

まっすぐ進むと、レストランのような建物が左手に見えました。

「あ、ここ、ワンダーランドだよ」
と友人が指さしました。

ワンダーランドに隣接していた、廃墟化したレストランでした。
立ち入り禁止の札が揺れています。

「なあ、行こうぜ」

ニヤニヤしながら友人はワンダーランドの入口に向かって坂道を上っていきます。
真っ暗で草むらしかなく、ほんとにここに遊園地なんかあったのか不思議に思いました。

友人のあとに続いて坂道を上ると、入口らしきものがありました。
チケット売り場だった場所にシャッターが下りたままになっていて、
あとは暗くてうっすらしか見えません。

「なあ、ここ街灯ないのに、なんか明るくねえか?」
「そういえばそうだな」

きょろきょろ見渡していると、
遊園地の中の方で白い何かが動いているのが見えました。

「なあ、あれ、何?」

答えるまもなく、僕たちは走り出していました。
そこにいたのは、うすぼんやり白く発光した、60歳くらいのおじさんでした。

どこを見るでもなく、ゆっくり歩いていたのでした。

「見たか?」
「見た…」

僕たちは慌てて旅館に戻って、震えて眠ったのでした。

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