〒989-6100 宮城県大崎市鳴子温泉古戸前132

これは、今から10年ほど前のことです。

友人Aが「廃墟を撮影したい」と言い出して、
何人かで深夜、宮城県の鳴子温泉にある廃ホテル、
ホテルニュー鳴子へ行きました。

仙台市内から出発。友人Aの車に私を含め4人乗り込み、
うとうとしているうちに目的地に到着しました。

詳しい道のりは夜だったこともあってわからなかったのですが、
地元では有名な心霊スポットだということでした。

少し山の方に入った場所で、坂道を上って、横道に入り、
すでに雑草が生えてかろうじてコンクリートが見えるくらいの道を何とか上りきると、
そこに廃ホテルがありました。

友人Aは早速ビデオカメラを構えましたが、
「あれ、電源入んない、おかしいなあ」と言いながら、
運転席に戻ってバッテリーを交換していました。

白い外壁は汚れて、窓ガラスもところどころ抜けていて、
かつてホテルだった面影はどこにもありませんでした。

霊感がある、という友人Kが「ここは火事があったね」とぽつりと言いました。
バッテリーを交換しながら友人Aが「なんでわかるの!?」と言いました。

友人Kは「ほら、地下があるんだよ」とメインの入口であるドアを指さしました。
でも、ドアは閉まっていて、地下があるかどうかわかりません。

「なんで地下があるってわかるのよ」と友人Kに尋ねると、
友人Aがやっと電源の入ったビデオカメラを持ってやってきました。

「ここ、地下あるよ。地下に温泉があったんだよ」と言いました。

友人Kが「ほら、地下で火事があったんだよ。こどもがいるよ。
そろそろみんな窓からこっち見てるから、来るよ。戻ろう」と車に戻り始めました。

それに続いて、みんな車に戻りました。

すると、車の外で、パキっパキっと、
何人も草むらを歩いてこちらに向かってくる足音が聞こえて、
慌ててその場を離れました。

ビデオカメラの映像は、結局真っ暗で音声しかとれていませんでした。

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