〒190-0012 東京都立川市曙町3丁目7−18
JR立川駅から線路に沿って東にいくと、
自動車教習所の北東あたりに、
一体の地蔵(発心地蔵尊)が祀られています。
今は高架下になっていますが、
昔は線路がこのあたりの地面を通っていて、
地蔵が見つめる先は踏切でした。
キッカケが事故だったのか、
自ら飛び込んだのかはわかりませんが、
気がついた時には、自殺・事故が多発する踏切
(野沢踏切)になっていたようです。
昭和のはじめごろに地蔵が置かれたそうですが、
自殺がなくなったのは、
この場所が高架に工事されてからなのだそうです。
それは雨の降った日で、
友人を訪ねた後の、
夜の帰り道でのことでした。
夕方からポツリと降り始めた雨は、
その頃にはだいぶ強くなっていました。
高架下のあたりに、
全身ベージュの目立つ人の姿があるのを見て、
カッパを着て何かの作業かと思ったのですが、
ベージュの人影は高架を支える柱に消えていったのです。
そんなことがあるわけない、
見間違いだろうということにした私は、
深く考えないようにしたのですが。
高架の近くにある発心地蔵がつくられた経緯だとか、
知りたくもない話はすぐに私のところにやって来ました。
それ以来、日が沈んでからは高架下は通れなくなって、
昼間だとあたりをやたらと見渡すようになってしまいましたが。
私がそういうものを見たのは、
この雨の降る日だけです。
今でも地蔵が見つめる高架下あたりでは、
その場所で亡くなった方達がさまよっているというウワサですが、
私はそれを否定することができません。
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