〒607-8429 京都府京都市山科区御陵荒巻町50−1
レンガづくりのトンネルに入る直前で、
最初に飛び込んできたのが墓地なのも驚きでしたが、
心臓が止まりそうになったのは、帰り道での出来事でした。
友人と肝試しに行ったのは、
山科区御陵荒巻町の厨子奥トンネルで、
地下鉄東西線・御陵駅から歩いて20分かからない場所です。
幽霊の通り道。
そんな風に言われる厨子奥トンネルに、
薄暗いトンネルを想像していた友人が手持ちライトを用意していましたが、
肝試しをするには、トンネル内は明るすぎるくらいで、
出入り口にも照明があって、手持ちライトは友人の手で遊んでいました。
厨子奥トンネルを往復して、帰っている途中には、
トンネル入口が墓地だったのがピークだったと思っていました。
大きな通りに出るまでは、やや暗い場所もあったので、
持ってきたのだからと、友人が遊んでいた手持ちライトを
点けたり消したりしながら、大きな通りへ歩いていました。
手持ちライトを持っていた友人が一番うしろを歩いていて、
手持ちライトは腰のあたりで水平に固定され、
私の前を歩く友人の背中を照らしていました。
手持ちライトを使うのに飽きた友人が、
手持ちライトのスイッチを押す少し前のことです。
手持ちライトの光を受ける友人の背中に、
手持ちライトの前を横切る何かの影が映されたのです。
ようは、私と手持ちライトを持った友人の間を、
少なくても腰ぐらいの大きさのものが通り抜けたはずです。
ところが、私も一番後ろを歩いていた友人も、
そんな大きなものに全く気が付かなかったことになるのです。
自分が見たものを認めたくなかった私は、
落ち着くまでに時間がかかってしまいました。
この近くには、処刑場だった場所があり、
死体は御陵駅の南西、ホッパラ町へ運ばれていたという説があるそうです。
幽霊の通り道は、
死んだ人が運ばれた道のひとつだったのかもしれません。
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