〒689-2525 鳥取県東伯郡琴浦町山川 船上山

太古、火山の噴火で固まった溶岩が、
ながい年月の間に山の形になったのが、
東伯郡琴浦町の船上山です。

名峰・大山から北東に続く尾根のはしに位置する船上山は、
古くは大山や三徳山とならぶ霊山として、
多くの修験者たちが登った山です。

溶岩の塊が山の形になるとき、
切り立った崖や滝といった地形になり、
幅600mの岩壁「屏風岩」のような、
独特の景観が生まれました。

山を登るルートによっては、
霊山らしい難所もありますが、
東坂登山道からななら、
初心者でも船上山の頂上へは難しくありません。

私の友人も何度も船上山に登っていて、
それは薄っすらと霧が出た、
神秘的な山の景色が楽しめる日のことでした。

しめった足元に注意して、
歩き慣れた登山道を歩きながら、
ふと足元の斜面に視線を向けると。

登山道を遠く離れた、
山の斜面を歩く人影が見えた
そうです。

霧が出ているのにあんなところにいるヤツなんて、
かかわらないほうがいいかな、
でも気がついたものは仕方ない。

もっと変な所へ行って遭難しないように、
登山道の方向だけでも伝えよう。

そう思った友人は、
霧の中を歩く人影に向かって、
おーいと呼びかけました

友人が二度呼びかけても、
人影はその声を無視して、
どんどん明後日の方向に進んで行き。

これが最後だぞと、
友人が大きく息を吸い込んでいると、
人影は霧に溶け込むように、
その場で消えた
のだそうです。

船上山は元弘の乱でおこなわれた戦場の一つで、
嵐の中おこなわれた戦は、
混乱をきわめた戦だったと伝えられています。

今も戦場をさまよう武士たちの姿が、
このあたりで目撃されている
そうですが、
友人が見たのもさまよう武士の一人だったのかもしれません。

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