村人たちが地すべりに悩まされていると、
村に旅の僧侶が村にやってきて、
地すべりが起きないように、
我が身をイケニエに捧げてくれました。

こうして、
村人たちを悩ませていた地すべりはおさまりましたとさ。

上越市板倉区は、
地すべり資料館』があるくらいに地すべりの多い地域で、
伝えられるおとぎ話も、地すべりにちなんだ話になっています。

かってはただのおとぎ話だったのですが、
地面から旅の僧侶と思われる人骨が出てきたときに、
この話はおとぎの話ではなくなってしまいました。

発見された人骨は、座禅を組んだ姿で大きなカゴの中に入っていて、
人骨を調べると、関西方面からこのあたりにやってきた、
4~50代の男性だとわかり、人骨が発見されたことで、
おとぎ話が実際にあった事実だと裏付けられました。

旅の僧侶の人骨は、
『地すべり資料館』近くの人柱供養堂で供養されていて、
頭蓋骨など人骨の一部がガラスケースに収められているので、
私たちでも見ることができます。

私は友人たちと人柱供養堂に行ったのですが、
私たちが発見された人骨に近寄っていたのに、
友人の一人がお堂の入り口にじっと立ったままでした。

様子がおかしい友人のそばに行くと、
友人の額にはうっすらと汗が浮かんでいて、
やっと絞り出した小さなつぶやきは、
助けて」でした。

急いで私たちはお堂から離れたのですが、
それから友人が普通の声で話せるようになるまでの10分ほどが、
とても長い時間のように思いました。

友人はお堂に足を踏み入れたあたりで、
心臓が大きく脈打つのがわかるほど大きく脈打って、
それから物凄い勢いで心臓が動き出し、
深呼吸をしたくても、うまく息をすることができなくなっていたのだそうです。

イケニエになったのではなく、
イケニエにされたから恨んでいるのかも

上越からの帰り道にそんな話になりましたが、
仮にそうだとしても、私たちには人柱供養堂で祈りを捧げるしかできません。

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