〒949-8505 新潟県十日町市宮中己1947−2
国道355号線沿いの宮中取水ダムの横には、
鷹ノ巣トンネルという、
変わったトンネルが掘られています。
短いトンネルなのですが、
途中に人が通れる穴が空いていて、
穴はダム湖を見下ろす崖の途中にあります。
何よりも奇妙なのが、
トンネルに空いた穴の反対側の壁に、
小さなくぼみが掘られていることです。
くぼみには何かが置かれていた跡だけが残され、
神棚が置かれていたというウワサがあります。
これは知り合いから聞いた話なのですが。
トンネルから外につながる穴に、
一枚のメモが落ちているのを見つけたそうです。
穴の先にあるのは崖なので、
自殺した人の遺書を連想しましたが、
メモに書かれていたのは何かの図形で、
どうも遺書とは違うように見えます。
知り合いが穴に入ってメモを拾ってみると、
落ちていたメモの1辺はギザギザで、
手帳から破り取ったメモのようでした。
ボールペンで書かれていたのは、
横にしたUの字の中に大きな丸が一つ、
少し離して小さな丸が一つ。K09だとかグンとかの、
書いた人だけがわかる略語が
いくつか書き込まれていたそうです。
メモが書かれた紙はまだ新しいもので、
何かの事故が起きて、
このメモを書いた人だけが落ちたかもしれない。
そう思った知り合いが、
四つんばいの姿勢で崖の下の方をみると、
トンネルの方から足音が聞こえてきます。
足音に驚いた知り合いは、
持っていたメモを崖に落としてしまいます。
メモはただの忘れ物で、
書いた人が取りに来たのかと思ってトンネルに戻ると、
そこには誰もいなかったそうです。
崖の下にある木の枝は折れたりしていなかったので、
事故や飛び降りがあったわけではなく、
どうしてあんな場所にメモが落ちていたのか、
トンネル内で聞こえた足音は何だったのか、
知り合いは不思議そうに語っていました。
これはウワサなのですが、鷹ノ巣トンネルは、
工事の内容からすれば多くの不幸が起きたらしく、
トンネル内のくぼみに置かれていた神棚は、
犠牲者のために置かれていたのだそうです。
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