山口県宇部市 小野湖

小野湖は宇部市小野にあるダム湖で、
厚東川をダムでせき止めた時に作られ、
ダムの底に沈んだ小野村から名前をとって、
小野湖と呼ばれています。

西岸に沿うように県道217号線が通り、
東岸には国道490号線があるので、
小野湖へはアクセスがしやすいのですが、
ダム湖沿いを散策するような場所ではなく、
湖面に近づける場所が限られた、
自然が色濃く残っている場所です。

湖面にボートを浮かべて釣りに興じる人の姿も珍しくないほど、
バス釣りのポイントとして有名な場所らしく、
小野湖には県外から撮影が来ることもしばしばあるようです。

一方で、小野湖は自殺の名所としても
その名を知られています。

知り合いのR君がバス釣りに小野湖へ行ったときの話です。

ヤブを通り抜けながら崖を下っていくような、
釣り人が秘密にしている場所が小野湖の周りにはいくつもあり、
その日もR君は自分だけの秘密の場所に向かっていました。

R君がもうすぐ釣り場という場所までくると、
釣り場の方から小魚が水面を跳ねる音が聞こえてきます。

バスのような捕食側が、
活発に小魚を追っている姿を想像して、
釣果への期待が膨らみます。

そして釣り場についたR君が見たのは、
噛みつかれた歯型の付いた小魚が数匹、
足元に散らばっている姿
でした。

仕留めた獲物を置いておいて、
次の獲物を取りに行く動物なんて聞いたことがありません。

気がつけば、
さっきまで聞こえていた水面を跳ねる音も、
いつの間にかしなくなって
います。

わけがわからないまま、
R君はその場から逃げ出したそうです。

R君はそれから秘密の釣り場に行くことはやめたので、
その後、秘密の釣り場がどうなったのかはわかりません。

釣り仲間に聞いても、
そんな状況を見たり聞いた人はいないそうです。

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