国道3号線から車幅の狭まる旧道に入り、
曲がりくねった道を進んだ先、
坂道を越えた場所に旧佐敷トンネルはあります。

ほぼ一本道の旧道ですが、トンネル手前の坂道には、
崖に飛び込むための道(幽霊坂)が現れるといわれています。

そこに存在しない道があるように、
自分から崖に飛び込んだとしか思えない事故がおきているらしく、
生存者がいないことで、どうして事故が起きたのか、
原因は誰にもわからないのだそうです。

車を崖に誘う道は「幽霊坂」として報じられ、
それをきっかけにして、旧佐敷トンネルの名が知られるようになります。

旧佐敷トンネルへ向かっている間、
そこがどんな場所なのかを友人のKが静かに語ります。

難所と言われた峠道だったこと、
トンネル工事中の崩落事故トンネル内に現れる幽霊

トンネル内に悲鳴がこだました後に、
姿を消した人がいること。

私の幽霊坂の先にあるトンネルという印象が、
トンネル内に幽霊が出るという話を聞いて、
幽霊トンネルに変わっていました。

トンネルの直前で大きく折れ曲がった道を進み、
私たちは旧佐敷トンネルの入り口までたどり着きます。

私たちはKの提案で、
旧佐敷トンネルへ行くことになったのですが、
Kは私たちを驚かせるために、
スマホに呻き声を仕込んでいました。

Kが私たちの最後尾を歩き、
呻き声が流れるようにスマホを準備していると、
Kのすぐ隣で人の息遣いが聞こえ、
人の影のようなものが壁に消えているのを、
振り向いたKは見たのだそうです。

Kの驚く声に私たちが振り向くと、
Kは背中を壁にぴったりとくっつけて、
小刻みに震えていました。

急いで車を出発させたのですが、
こんな時に幽霊坂が現れていたら、
崖に飛び込んでいた
と思います。

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