〒650-0007 兵庫県神戸市中央区神戸港地方 再度山

神戸市から国道428号線を北上した山間部、
七三峠と呼ばれる山道には閉鎖されたトンネルがあります。

天王谷川に架かる金清橋の手前から脇道に入り、
林道を某学院を超えてしばらくすると、道路には枯葉が積もり、
ほとんど利用されていないのがわかります。

その先にある三叉路を右に進むと、
後付けの扉で塞がれた廃トンネルにたどり着きます。

地図上では中央区・兵庫区・北区の境界線が交わるあたりで、
この場所からトンネルの反対側へ行くためには、
登山道を歩いて山を越える必要があります。

私がいつものように登山道を歩いていると、
通行できないそのトンネルの方に進むグループの姿がありました。

私のいた場所からは、
トンネルの入り口は2mほど奥まったところにあるので
死角になっていました。

トンネルの入り口にいるグループの様子は見えませんが、
ちらっと見たグループの姿は、
街を歩いているような普通の恰好をした男女

初めて来た場所で、
意味ありげなトンネルに興味をもって、
隙間から中をのぞいたりしているのだろうと思っていました。

それからグループの姿を見ることはなく、
私がトンネルの入り口が見える位置につくと、
トンネルの前には誰もいませんでした

七三峠のトンネルを抜け、
さらに山奥へ進んだ先にはある施設がありました。

もともとは大正時代に作られた、
障がい者の子供たちのための竹馬学園でしたが、
戦時中は敵兵の収容施設として利用されていました。

その頃は登山道は整備されておらず、
このトンネルを塞ぐだけで、
山から出ることが出来なくなった
といわれています。

七三峠のトンネルに幽霊が出る
という話も、
山奥の閉ざされたトンネルという状況が生んだのだろうと、
それまではそう思っていました。

人目から隠すために作られた施設で何かが起きたのか、
施設や記録は残されておらず、それを知ることはもうできません。

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