〒779-0101 徳島県板野郡板野町大坂
大坂峠は、坂野町から北灘町を通って香川県へ抜ける峠で、
源義経が利用して平家の不意を突いた峠として有名です。
この峠を超えて軍勢が来ることなど、
誰にも予想することはできないように、
峠には道と呼べるものはありませんでした。
後の世になってやっと、多くの工夫の犠牲の上に、
大坂峠を切り開いて車の通れる県道1号線が敷かれます。
義経の奇襲や工事で亡くなった工夫たちを知らなくても、
峠道の脇に地蔵や仏が置かれているのを見れば、
大坂峠がどういう場所かを想像するのは難しくありません。
馬酔木(あせび)公園に向かう脇道に入ると、
道中に多くの地蔵や仏の姿を見ることができ、
こちらは日中でも恐ろしさを感じることがあります。
これは後輩のA君の話なのですが、
大坂峠のカーブで車のサイドミラーに後方からの光が見え、
後ろにほかの車両が近づいてきていると思ったのですが。
直線に入って後ろを見ても、
後ろを走行しているはずの車両はどこにも見えません。
またカーブが見えてきたので後ろに注意してみると、
やっぱり光りが見えるのですが、
その光は車やバイクにしては暗めで、
直線になると後ろには何も見えなくなってしまいます。
しばらく直線が続いた後で、
カーブが連続する場所を走行した時には、
後ろに光があらわれることはありませんでした。
私自身、
大坂峠を通ると息苦しさを感じたことがあり、
A君の話を聞いても、
ああやっぱりとしか思えませんでした。
大坂峠近くで心中事件が起きたという話もあり、
語られている噂も首なしライダーや迫りくる人影等々、
この場所にはどれだけのものが積み重なっているのか、
それを考えるとソッとしてしまいます。
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