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遠野市の白幡神社には、
変わった言い伝えが残っている地蔵があります。

地蔵にまつわる言い伝えだと、
地蔵を別の場所に投げ捨てるような、
地蔵を粗末に扱う若者にバチがあたるのがお約束ですが。

この地蔵が変わっているのは、
地蔵をもとの台座の上にきちんと戻した、
信仰心の篤い人物にバチがあたる
ところです。

実は遠野市の白幡神社の地蔵は女性で、
若い男とさすらうのを楽しんでいたので、
それを邪魔されたことに怒っていたのです。

そして白幡神社の地蔵は、
さすらい地蔵と呼ばれるようになり、
現在は、台座にコンクリでしっかりと固められていますが、
台座の中心からはズレていて
今でもどこかに行こうとしているようです。

漫画家志望のG君がこの話を聞いて、
地蔵の化身の女の子にいろいろ振り回される話を思いつきます。

ある程度話の骨格ができたころ、
さすらい地蔵がどんな場所にあるのかを見ようと、
G君は岩手に旅行へいきます。

JR千厩駅からバスに乗り、
最寄りのバス停から歩いていたのですが、
進行方向から風にのって雪のようなものが運ばれて、
あっという間にG君を通り過ぎてしまいます。

突然の出来事にあっけにとられたG君ですが、
不思議と心地よさを感じたそうです。

岩手といっても雪が降るような天気ではなく、
雪やあたりの農地で農薬がまかれたにしても、
体には何の痕跡も残っていなかったそうです。

さすらい地蔵はこっそりと抜け出すことがあるといわれていますが、
案外G君が遭遇した白いものが、
石の体から抜け出したさすらい地蔵なのかもしれません。

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