高知県香美市野市町にある不思議な光景

車で走っていると、
突如として山の上に古いお城が見えてくるのです。

まるで映画に出てくるようなその古城に、
私はずっと興味がありました。

「あのお城は何?」子供の頃、両親に尋ねると
「あれは三宝山といって、ずっと昔に潰れた遊園地だよ。
と教えてくれました。

大人になってからも三宝山のお城がずっと気になっていた私に、
当時の彼氏が「そんなに気になるなら行ってみようよ。
と提案してくれたのです。

グネグネと山道を登って行き、
カーブを曲がると突如目の前にそのお城は現れました。

「スゴい•••」想像以上にそのお城は大きく
とても古びていて、山の頂上で異質な雰囲気を放っていました

もう時刻は夕方で、山の上からは
夕日がとても綺麗に見えたのをよく憶えています。

大きな門があり、その前に車を停めて降りました。
門には太くて頑丈そうな鎖の鍵がついていて中には入れませんでした。

「どっかから入れないかな?」
彼が言い出し、あたりを散策する事に。

もう日が落ちて来て、辺りは薄暗くなって来ました。
ここに来てから、私たち以外は人も車も見ていません。

私は少し不安になりましたが、ずっと来たかった場所なので、
彼に付いて山道を歩き始めたのです。

突然ガサッと音がして、茂みから一人の男性が出て来ました。
驚いて彼の腕を掴む私。

その男性はTシャツに短パン姿で、顔には表情が無く
こんな人気の無い場所で出会ったにもかかわらず
私たちの方を一切見ていません。

彼はその人に話しかけました。

「あの•••そこの茂みに道があるんですか?行くと何がありますか?」
その男性は相変わらずこちらを見ないまま「崖•••崖があるよ•••。
と暗い声で言ったのです。

私はもう怖くて怖くて「危なそうだし帰ろうよ。」と彼に言いましたが、
彼はまた「どこからかお城に入る方法はありませんか?」と男性に聞くのです。

崖•••崖があるよ•••。」先ほどと同じ声で繰り返す男性。

彼もやっと異常に気づき「ありがとうございました!」と言うと
私の腕を引っ張って2人で走って車に戻りました。

急いでエンジンをかけ山道を下って行くと、
先ほどの茂みのあたりに男性の姿はもうありませんでした

車もバイクも見当たらないけど、あの人どうやってここまで来たのかな•••。

バスも通らない山の頂上で出会った不思議な男性
ハンドルを握る彼の手が少し震えていました。

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