〒037-0201 青森県五所川原市金木町川倉七夕野426−1
青森の賽の河原というと恐山を思い浮かべますが、
五所川原市金木町にも賽の河原があります。
「川倉賽の河原地蔵尊」と呼ばれ、
大小無数の地蔵が祀られていて、その昔人が亡くなると、
仏になった故人の地蔵をつくる風習があったようです。
神として地蔵をまつる場所というよりは、
墓所に近い場所のようです。
色とりどりの着物で着飾った地蔵や、
化粧をした地蔵。
知らずにみると異様な光景ですが、
地蔵を飾る行為に、
失った者への想いを感じずにはいられません。
普段は静かな場所ですが、
大祭が行われる旧暦で6月の終わりごろには賑わいを見せます。
岩だけの恐山が地獄の景色だとしたら、
森の中に無数の仏が祀られた川倉は、
死者の住む死の国の景色なのかもしれません。
一人森の中を歩いていても、
傍らの地蔵から仏の気配を感じて妙な気持です。
場所の雰囲気にあてられたのか、
足取りはふわふわとしていて、
本当に死者の世界に迷い込んだような気分です。
地蔵尊堂や人形堂のような主な場所を回り終えたころ、
突然、左目の奥のほうが絞られているようにうずいて、
じんわりと涙が滲んできます。
左目のうずきは2分ほど続いたでしょうか、
私はすぐに眼科の場所と時間を調べて、
都合のいい日はいつかを考えます。
それから数日間なにも起きなかったことで、
目のうずきは心霊体験だったのではと思うようになりました。
病院でも別段異常が見つからなかったことで、
それは確信に変わり。
賽の河原と呼ばれるのは、
この場所の見た目だけが理由ではないのだと実感しています。
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