県道35号線の旧東山トンネルに、
先輩の運転するワゴンで行った時の話です。
場所は阿南市のJR新野駅から東に進んだ東山にあるトンネルで、
幽霊が出るのは新野駅から県道35号線を東に進むと通る古い方のトンネルです。
JR新野駅に進む車線は隣の新しい方のトンネルに入ることになるので、
私たちは先に新野に行って、
日が落ちるのをまってから旧東山トンネルに行きました。
車の助手席には体の大きな同僚が座って、
真ん中の座席には先輩の奥さんと同僚の女性が座り、
私は一番後ろの狭い空間に同僚と座っていました。
座った場所のせいで、
道路脇にある照明の光が見えにくくなっていて。
旧東山トンネルに着く前に、
道路脇の照明が車の内装に反射したのを、
何もないところで白い影が横切ったと騒いだんですが。
たった今肝試しに行っているのに、
怖いことを言うなよと怒られたりしながら、
私達は旧東山トンネルに入りました。
途中で後ろを見たりもしたのですが、
私たちは幽霊を見ることはできませんでしたが、
寂しそうなトンネルに入るだけで十分肝は冷え、
肝試しとしては満足していました。
それは旧東山トンネルを抜けて
そのまま道路を進んでいた時の出来事です。
行きと同じように私の座席の反対側が白く光って見えて、
何の気なしに後ろを見たらそこには照明はありませんでした。
頭が思考を放棄して体を後ろに捻った姿勢のままでいると、
隣の同僚に「何か見える?」と聞かれます。
光がないところで室内が光って見えたなんて、
ありえない事が起きた事を認めたくない私は、
「何も」とだけ答えて正面を向きました。
普通に考えて何か勘違いをしているのだとは思っても、
実際にありえない出来事を目撃したのも事実です。
この出来事の後私は一人で県道35号線を通ったのですが、
私が見た出来事を説明できるものは見つけられませんでした。
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