彼女とデートのために車を買った友人がいて、
夜景のスポット信貴生駒スカイライン(しぎいこまスカイライン)へ、
彼女とドライブを考えていました。
信貴生駒スカイラインは有料道路なので、
行ってから想像と違うとがっかりしてしまうので、
男3人で下見に出かけたときの話です。
信貴生駒スカイラインは西を見れば大阪の夜景、
東を見れば奈良の夜景が楽しめるスポットですが、
そこから見える景色が良いか悪いかの前に、
車数台分のスペースしかない駐車場。
「人の多い週末だと車を停められないかも」
「夕方から来るのはどう?」
「道を走るだけでもそれなりに楽しめそうだよ」
デートの下見で夜景スポットや公園等にも立ち寄っていると、
片道20km以上の道路を引き返す頃には日は沈んでいました。
その時間になると見える景色は一変していて、
遠くの町並みがキラキラと輝く宝石になっていました。
自分も彼女が欲しいとなんとなく言ったのですが、
助手席に座っていた友人がそうだなと言う声は涙声でした。
夜景がトラウマになるような別れがあったわけでもなく、
気がついたら悲しくなって涙が止まらなくなったそうです。
そのうちに寒いと震えだして、
体をギュッと抱きかかえるのですが、
日が落ちて涼しくなったとはいえ震えだすのは異常でした。
もうすぐ駐車場が見えてくるはずでしたが、
そこにとどまって様子を見るよりも、
このまま車で病院に行くことにしました。
友人の震えと涙が止まったのは、
信貴生駒スカイラインから離れてすぐのあたりでした。
工事であちこち掘りかえしていると、
かろうじてスーツだとわかる衣服が残った白骨死体がでてきたという
信貴生駒スカイラインのウワサを、別の日に笑いながら知人が話していて、
私は愛想笑いをしながら、
そういうことかと思うしかありませんでした。


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