会津若松の滝沢峠を通る道は3本あって、
江戸時代に使われていた街道(旧街道)と、
明治以降につくられた南新道に、
旧国道49号線の北新道があります。

旧街道には白虎隊が自刃した飯盛山近くから入ることになり、
今は遊歩道として整備されています。

古い街道もあり、
事故の起こりそうな急勾配や急カーブのある山道なので、
滝沢峠にも幽霊が出るという話がありますが、
滝沢峠に現れる幽霊は三輪車に乗った子供なのです。

この子供の正体は分かりませんが、
後ろから猛スピードで近づいて来て、
三輪車に追いつかれると必ず事故を起こすという話です。

実際に後ろから三輪車が迫って来たら
パニックで運転どころではないでしょうが、
正直この話を聞いた時には反応に困りました。

三輪車に追いかけられる自動車を想像すると、
怖いというよりもユニークな光景だなという感じで、
だからといって笑い飛ばす事が出来ないのは、
私が滝沢峠で不思議な体験をしたからです。

私が南新道を歩いていた時の出来事なのですが、
私が通り過ぎた後に草むらが大きく揺れて、
私はビクンと驚いて音が聞こえた方向をじっと見るのですが、
その後に何かが起こるでもなく。

草むらに隠れて見えなかったけど、
何か動物がそこにいたのだろうと思い歩き始めると、
また草むらがガサガサと音をたてます。

最初の音は動物が逃げ出した音だと思っていた私は、
なるはずのない音が聞こえた事に怖さを感じて、
歩き出すことが出来ませんでした。

とは言え草むらをかき分ける勇気もなく、
じっと見つめるだけでは埒があきません。

音がした方から視線を外さないようにして、
後ずさるように足を動かします。

呼吸を整えながら最初に左足、
次に右足と少しづつ距離をとり、
振り向きながら大きく踏み出します。

何があっても振り返らずに、
このまま道を進もうと決意していましたが、
草むらから音が聞こえることはありませんでした。

こうして自分が不思議な事を体験しているだけに、
後ろから三輪車が追いかけてくるなんて突拍子のない話も、
無いとは言い切れないと思ってしまいます。

関連する心霊情報