〒682-0434 鳥取県倉吉市関金町野添
紅葉のシーズンも終わりの11月になって、
やっと仕事が一区切りついたので、
東大山大橋(ひがしだいせんおおはし)に行った時の話です。
観光情報には休憩するのにちょうどいいと書いてあるのですが、
あんまり運転をしない私にしてみたら、
やっと辿り着いたというような場所でした。
その日は山全体がモヤッとした霧に包まれていて、
見晴らしが悪い景色に、
私の気持ちもモヤモヤとなっていました。
東大山大橋手前の駐車場に車を停めて、
橋の上から下を見下ろすと、
霧のせいで雰囲気がましていました。
普段ならビクンと小さく驚くぐらいなのに、
今日は背中を何かに撫でられているような感じで、
このまま下に引きずり込まれるのではと恐ろしさを感じます。
今まで何度か東大山大橋に来ているのですが、
こんな怖いと思ったのは初めてのことでした。
「そこ自殺のスポットで、霊が仲間を作ろうとしているから、
1人で行かない方がいいんじゃない」
オカルト好きの同僚の言った言葉を思い出しました。
しばらく東大山大橋の下を見下ろしていると、
ゆっくりと動いている霧から小さな塊が別れて、
その小さな塊がクルリと回転しながら霧に戻ります。
理解できない現象を見て、
背中どころか全身に寒気が走って、
鳥肌がたったのが感覚で伝わってきます。
考えるよりも先に体が動いて、
急いで車を動かします。
霧の出ている山道を走っていると、
さっき見たような霧が小さな塊になって、
追いかけてくるような気がしました。
霧が無くなるまでは、
生きた心地がしませんでした。
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