その日の私は新しい自転車が嬉しくて、
住んでいるところから離れた場所まで来ていました。
そこは田んぼと山の間にある細い道で、
山側のに雑草に隠れるようにブロックの塀が少しのぞいていて、
自転車を止めるとそこには家がありました。
田んぼ側の方が広い道に近いから、
このあたりの家は田んぼ側の方にたっていて。
見るとバルコニーもあって立派な家なのに、
へんな所に家を建てたから、
住みにくくて放置されているのかなと思っていました。
完成した当時は白い壁が輝いていたのでしょうが、
今では雑草に埋もれて忘れ去られた寂しそうな家です。
一階の壁に落書きが見えたので、
子どもがいたずらに侵入したことがあるのでしょう。
二階の窓は開いていて、
そんなに風は強く無いのにカーテンが揺れて、
誰かに監視されているようで気持ち悪いと思います。
その後もなぜかこの家の事が気になって、
住所を頼りにしらべてみました。
岐阜県伏見にあるこの家では、
1994年に借金苦から家の主人の男性が、
拳銃で自殺をしたとわかって驚きました。
自殺した男性は生命保険に入ったばかりで、
自殺だと保険金が支払われません。
そこで家族が拳銃を隠してから警察に連絡して、
警察も殺人事件として捜査を行なうのですが、
家族の証言に不自然なところが多くて、
そこからこの事件が自殺であるとわかったそうです。
そしてこの家は銃殺の家と呼ばれるようになって、
自殺をするしかなかった家の主人の無念が、
今もこの家に残っていると言われていました。
カーテンが揺れていたのはもしかして幽霊?
私は幽霊に見られていたと思うと、
今更ながらにぞっとしてしまいます。
コメントを残す