〒389-1303 長野県上水内郡信濃町野尻3635
長野県信濃町にある廃墟ホテル「セリーヌ」は、
廃ホテルになった後に描かれた、
幾つもの裸の妊婦のイラストから注目された場所です。
私達も含めて、異能の才能というべきイラスト目当てで、
この場所を訪れる人は少なくありません。
実際に壁に描かれた妊婦のイラストを見ると、
それに添えられた怪文書や雑な落書きの組み合わせもあり、
独自の世界を生んでいました。
この場所でレイプされて心が壊れた女性が自殺して、
強い恨みをセリーヌに向けたと言われています。
セリーヌが廃墟になった理由を、
私はそんなふうに聞いていたので、
異能が引き寄せ合って創りあげた空間というだけで、
私は何か起こるのではないかと不安でした。
この場所でホームレスと暴走族が出会ってしまい、
ホームレスが焼き殺されてしまったとも噂されています。
女性の恨みが異能の才能を呼んだり、
残酷な行動をさせてしまうのではないかと思えて来ます。
昼間に訪れた事もあり、
セリーヌはパッと見るだけでは古そうな建物という印象で、
いわれているような怖さを感じませんでした。
注意書きなのか落書きなのか、
セリーヌへの立ち入りを警告する文字に、
ビクビクしながら私達は建物へ入ります。
最初は固まって動いていた私達も、
この場所になれてくると、
それぞれバラバラに動くようになっていました。
そんなときに、
友人の悲鳴が聞こえてきます。
全員が集まってその部屋の壁を見ると、
赤茶色で人の手のような跡がついているのが見えます。
廃墟になった後に、
セリーヌでは何度も死体が見つかっている。
そのうわさが頭をよぎり、
この手の跡を残した人の死体が、
何処かに隠されているかもしれない。
そんな風に考えた私達はセリーヌを飛び出します。
二階の窓から誰かに見られていた、
そういいだした子が泣き出して。
あの跡はなんなんだ、
なんでこんな所に行こうっていたのとか、
帰りの車内はとにかくパニック状態で。
たまりかねた運転手が、
うるさい黙れと大声をあげると、
全員押し黙ってしまいました。
私達のセリーヌ訪問は、
恐怖だけが残る結果になってしまいました。
コメントを残す