「正直、蛇にお願いしたいとは思わないなー、蛇は怖いし」

大山の赤松の池に住む主は大蛇(龍神)で、
人間に化けていたときに大切に育てられたから、
願いを叶えてくれるということらしいです。

小学生の帰り道に、
田んぼの横の細い路地を近道で通ろうとしたら、
足元を黒い蛇が横切っていて、
漫画とかの影響で蛇は怖いと思っていた自分は、
黒蛇から数歩離れたところで立ち止まったまま泣いてからは、
とにかく蛇が苦手になっていました。

一緒に赤松の池に行った友人たちはせっかくだからと、
資格試験合格とか今度の試合で勝てますようにとか言っている横で、
自分ひとりだけ微妙な表情で池の中の祠を見ていました。

友人達には池の主をバカにしていると怒られるぞなんて言われても、
別にバカにしていたわけではなくて、本当に蛇が駄目なだけだったんです。

赤松の池の主が怒ったのかは分からないのですが、
その日の夜に見た夢はとにかく印象に残っています。

子供がクレヨンで書いたような、
多分人だと思う絵を、赤黒い手のような物が破いて。

一枚破いたらその下には別の絵があって、
手のようなものはただひたすら絵を破いて行きます。

赤黒い手はゴム手袋のような感じで、
ウロコのない蛇の体みたいに濡れたような質感で。

確か声が聞こえていて、
その声が何かを言っていたはずなんですが、
絵を破る手だけが記憶に残っていて、
後の事は覚えていません。

それからは夢を見ると、
何かを言われていたはずなのに、
目が覚めると覚えていない。

そんな夢を見ることが増えていて、
なんとなく誰かに小言を言われているように感じています。

赤松の池にある祠にはちょっとした仕掛けがあって、
ハイキングコースのスポットになっているから、
またいつか訪れたいと思っているので。

その時にでも、
赤松の池の主をバカにしたと言うのは誤解だと、
祠に祈ろうと思います。

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