〒376-0143 群馬県桐生市黒保根町宿廻 東国文化歴史街道 城下トンネル
群馬県の渡良瀬川と並んで走行する国道122号線を日光に向かうと、
本宿を過ぎたところに城下(しろおり)トンネルがあります。
国道122号線には足尾銅山があり、
逃げ出した鉱夫が力尽きたのが城下トンネルの辺だったそうで、
鉱夫の幽霊がさまよっているのか。
城下トンネルは短めのトンネルで、
見通しも悪くはは無いのに事故が多発していました。
事故の被害者を弔う供養塔をつくってからは、
不思議な事に事故はほとんど起こらなくなったそうです。
そのときの私達は、
日光へ行くために国道122号線を車で走っていました。
「こんな所を歩いている人がいるんだな、あぶないよな」
城下トンネルを抜けた辺りで、
Kがポツリとつぶやきます。
トンネルに入る前にKがスマホを触っていたので、
私たちは最初kが何か画像か動画でも見て、
独り言をいっているのかと思いました。
「いや、さっきのトンネルに女の人が歩いていただろ」
Kは城下トンネルの中で、
歩いている女性を追い越したというのですが、
私たちはトンネルを歩く人を見ていません。
自分だけに見えた人の姿に不安になったKはうつむいて、
自分を守るように手で両ヒジをおさえて
何も言えなくなってしまいます。
私たちはどすれば良いのか分からなくて、
とりあえず東照宮に守ってもらおうと
Kを励ますことしか出来ませんでした。
行き先がわからなくなっていたのか、
昔は車にしがみついたりして、
移動するものに取り付こうとする幽霊が出ていたと聞きます。
供養塔が幽霊の行き先を教えているのか、
最近ではときおり道に佇んでいる幽霊を見た
という話が多いということです。
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