〒292-1174 千葉県君津市正木
お前好みのすごいトンネルがあるんだと連れて来られたのが、
千葉県君津市の奥米隧道(おくごめトンネル)でした。
三島湖が近くにあるからか、
壁には水が滲んでいてなんとなくカビ臭いトンネルです。
短いトンネルを抜けると、
すぐ先に次のトンネルが見えます。
奥米隧道はもともとひとつのトンネルだった場所で、
山が崩れた時にトンネルがふたつにわかれて、
そのまま通れるようにしたそうです。
そして近くの三島湖で水難事故があって、
被害者の霊が出ると聞いて私はすぐに帰ろうと訴えました。
友人2人(A、B)はせっかくここまできたんだからといって、
2つの奥米隧道を最後まで行こうということになります。
そもそも私は廃墟が好きなので心霊現象はお断りなのですが、
友人にはどっちもおんなじだろと理解してもらえません。
日が暮れてから移動するのでおかしいとは思ったのですが、
私は肝試しに付き合わされたようです。
ふたつ目のトンネルは途中で手掘りの壁になって、
確かにこの手掘りの感じは私の好きな雰囲気です。
トンネルの壁に何故か小さな穴がほってあって、
排水口代わりのトンネルになっているそうです。
中を覗き込むと確かに水が溜まっているようで、
水滴が落ちる音が聴こえます。
私と友人Bに続いて友人Aが覗き込もうとすると、
排水溝の奥で何かが動いたような音がして
全員の動きが止まります。
多分ネズミだろうと頭ではわかっているのですが、
場所が場所だけに不安が膨らみます。
3人の沈黙を破ったのは排水口からの音でした。
さっきよりも近くで何かが動いた音がします。
これはネズミでは無いなと思いしたが、
心臓はバクバクで次に何をしたらいいのか全く思い付きません。
真っ先にBが動き出した後に、
Bに釣られるようにして私とAが動きます。
地図を見ると、
多分あの排水口は三島湖を向いて彫られていたはずです。
どうして三島湖で事故が起きたのに、
奥米隧道に幽霊が出るのか引っかかっていたのですが、
排水口をつかって幽霊が移動しているのだと思います。
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