〒262-0023 千葉県千葉市花見川区検見川町
私は散歩が好きなのですが、
酔っ払ったおじさんに絡まれる事が続いていました。
気分を変えるために、
その日は自転車でいつも行かない方向へいくことにしました。
その日は天気もよくて、
用心棒としてカゴに入っている愛犬も気持ちよさそうです。
少し回り道をして帰ろうかなと思い、
進んだ道の先にあったのが、
検見川町の検見川送信所(けみがわそうしんじょ)でした。
背の高い草に囲まれた道になったときは、
草原を走っているような気分で、
こんな所があったんだとちょっとワクワクしていました。
ちらりと建物らしき物が見えると、
こんな所に何があるのか気になりました。
そこにはすっかり角が丸くなった、
何かの施設を思わせる小さなビルが建っていたのですが、
窓が鉄の板で塞がれています。
検見川送信所は放置されたというよりも、
念入りに封印されているように思いました。
抱っこしていた愛犬が建物に向かって吠えだしたのは、
私が建物をなんだか怖いなーと思い始めたときでした。
ノラ猫やノラ犬がいる様子もないし、
愛犬は吠えるのを止めようとはしないし、
その時の私は愛犬を抑えるのに必死でした。
いきなり建物の方から金属の板を叩いたような音が聞こえてきて、
私は皮膚の上だけをゾワリとした震えが走ると、
頭が真っ白になって動けなくなります。
建物から音が聞こえると、
吠えるのを止めた愛犬が落ちついてきます。
もぞもぞと動いた拍子に、
私のアゴに愛犬の頭突きが入ると、
私も動けるようになります。
まだ少し膝が震えていましたが、
何とか帰ることが出来ました。
後日、
戦争中は軍事施設として検見川送信所が使われていて、
そこで作業をしていた軍人の霊が出ると聞きました。
友人からその話を聞いた時には、
あの音を思い出して背中に寒気が走りました。
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