あれは今から約20年前の当時私が中学2年生の頃の
心霊恐怖体験談です。
これまで私達の学校行事では新潟県への旅行行事はありませんでした。
試験的な試みで私達2年生は初めて新潟県守門村を訪れたのです。
2泊3日の旅行の中、新潟県という土地柄もあり、
日本酒製造の蔵元を見学したり、
特に心霊スポットと呼ばれていた訳ではないのですが、
夜には先生参加の肝試しなどが行われ、
新鮮な空気と景色を存分に体感していました。
明るく楽しく過ごす友達の輪の中にいる自分一人を除いて・・・。
当時、私の家族はドラマのごとく荒れていました。
旅行出発前日に母親が家出していたのです。
父の『家庭の問題とお前の学校行事とは何の関係もない』という
言葉に押され何とかこの旅行には参加することができたのです。
しかし、笑顔とは裏腹に常に不安と悲しみと
捨てられたという感情が心を支配していました。
そんな複雑な心境の中、旅行初日の夜、友達5人ほどで部屋を抜け出し
お菓子を求めてコンビニを探しに行くことになりました。
それほど遅い時間帯ではなかったと思います。
時刻にして夜の7時を過ぎた頃だったはずなのですが、
守門村には街灯もそれほど多くなく都会育ちの私達にとっては、
まるで深夜ではないかと錯覚するほどの暗闇が続いていました。
ほどなくして小さな商店にたどり着きました。
駄菓子を食べ、くだらないことで笑いあい、存分に楽しんだ帰り道、
友達の一人が『このゴミ持ち帰ってバレたらヤバクないか?』という
言葉に全員納得し、ゴミ袋を縛り小道に投げ捨てることにしました。
静まり返った道をワイワイと楽しみながら歩いていると、
地元の子と思われる小学校低学年頃の男の子と
さらに年下らしい男の子が手を繋いでいるのに気がつきました。
友達含め私達全員がそれに気付き、テンションも高かったこともあり
『遅いからもう帰りなよ~』『暗いから親が心配してるぞ』などと声を掛け合いました。
誰かが言いました。『あれ?あの子がもってる袋、
俺たちがさっき捨てたゴミに似てない?』
暗くてはっきりとは見えなかったものの袋の大きさ、
縛り方からして似ていないこともなかったのですが、
皆あまり気にすることもなく互いに手を振りあいながら
すれ違い旅館に帰ったのです。
ふざけ笑いながら部屋に戻ると『おいっ!みろよっ!』という
友達の声にみんなの視線が集まりました。
部屋の中央にある大きなテーブルの上には、
先ほど自分達が食い散らかした駄菓子のゴミ袋が
縛ったままのあのカタチで静かに置かれていたのです。
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