〒068-2100 北海道三笠市奔別町
何か乾いたものを踏み砕いた音に足元を見たら、
動物の骨を踏んでいた。
この辺りに住む動物が敵に襲われたのだろうか、
それとも寿命だったのだろうか。
北海道三笠市の唐松に点在する炭鉱跡は、
もう自然の一部になっているようだった。
かっては坑道への入り口だった門と、
施設の跡が残るだけになっている。
坑道への入り口はコンクリで塞がれ、
中がどうなっているのかはわからない。
幾つか炭鉱跡を回ったが、
特に印象深いのは奔別炭鉱だった。
建物を突き抜けているように見える大きな鉄骨の櫓。
掘り出した石炭を貨車に積む作業をおこなっていた巨大な建造物。
鉄骨の櫓のある建物は、
鉱山を閉じた後の撤去作業中にガス爆発を起こしてしまい、
建物の一部が鉄骨だけの状態になっている。
風格と物悲しを組み合わせた奇妙な建物は、
どうしても印象に残ってしまう。
ガス爆発の際に何人か亡くなられたそうだが、
この後の出来事はこの事件が関係しているのかもしれない。
その時は気がつかなかったが、
写真をSNSに上げるために加工している時だ。
ガス爆発がおきた建物の加工を始めると、
何かがおかしかった。
しばらくして鉄骨がむき出しになった辺りに、
影にしては少しだけ濃い所があることに気がつく。
それはなんとなく人の顔のように見えて、
事故で死んだ事を知らない作業員の霊かも知れない。
そう思うと胸騒ぎがして、
この画像を見たくなくて作業を中断した。
数日後に霊感のある知り合いに加工前の画像を見てもらうと、
すぐに消去した方がいいとアドバイスをもらい。
他の唐松周辺の炭鉱跡の画像を見てもらうと、
何枚か気になる画像があるようだった。
知り合いに会うまでの数日間は、
アプリがよく応答無しになっていたが、
画像を消去してからは今まで通りにつかえている。
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