今から数年前、
京都にある曼殊院門跡へ行った時の話です。

当時は京都の魅力にどっぷりハマり、
「良い場所がある」と聞けば
すぐさま京都まで飛んで行った程です。

そこである日「曼殊院門跡にある枯山水の庭はとても美しい」と聞き、
いてもたってもいられなくなり訪れることになりました。

もちろん”肝試し”が目的ではありません。

しかしまさかあんなことになるとは、
その時は夢にも思いませんでした。

曼殊院門跡へ訪れた私は、
噂通りの美しい枯山水の庭に心を奪われてしまいました。

そして枯山水の庭を十分に堪能してもう出ようとした時、
ある1冊のノートを見つけました。

そのノートには、訪れた人が記念にへと
メッセージやイラスが描かれていました。

これらのメッセージをしばらく読んでいると、
所々に「幽霊掛け軸」の文字が…。

もし幽霊掛け軸があるなら見てみたいと
好奇心が芽生えてしまい、見に行きました。

幽霊掛け軸を一目見て、
「本物だ」と確信したのは言うまでもありません。

掛け軸の中に込められている「何か」が、
私をじっと睨みつけているような感じがしました。

しかも訪れた当時はとても暑かったと記憶していますが、
幽霊掛け軸の周りだけはとても涼しい空気が流れていたのです。

そして掛け軸の近くには、こんな張り紙が貼られていました。
幽霊掛け軸の写真を撮ると、その人に不幸が降りかかるのでご注意下さい」と。

後で気になって調べてみると、
過去にも何人か持ち主がいらっしゃったそうですが、
彼らはいずれも不幸な目に遭ってきたそうです。

あまりにも不幸な出来事が立て続けに起こり、
曼殊院門跡に掛け軸を預けたということでした。