あれは、子供の頃福岡に住んでいた時、
両親と雷山へドライブへ行ったときのことです。

運転していた父が、トイレに行きたいと言い出し、
途中で車を止めたんです。

私と母は車の中で待っていました。
しばらくして、真横を赤いスポーツカーが猛スピードで
追い越して
行きました。

そして、目の前がちょうど2叉路になっていたんですが、
その左側へと入って行きました。

その直後、トイレから父親が戻ってきました。

「さっきの赤い車危ないなあ。でも左側、何かあるのかな。
追いかけてみよう」と言い、私たちも左側へ行ってみることにしました。

しかし、100メートルもしないうちに目の前には行き止まり
なっていました。

行き止まりというか、古いつり橋があって、入り口を古いロープで
ぐるぐる巻きにされて、入れないようになっていたんです。

そして立ち入り禁止の看板が立てられていました。

あれ?と思い、車を降りて近くでそのロープや看板を
見たんですが、きつく縛られており埃かぶったロープと
錆びた看板
があるだけで、誰かが動かした痕跡はありません。

私たちがあの赤いスポーツカーを追いかけて
3分かかっていませんでした。

その間、勿論その車とすれ違っていないし
脇道なんかもありませんでした。

崖下も見てみましたが、どこにもあの車は
見当たらなかった
のです。

忽然と消えてしまった、まさにそんな感じでした。

私たち家族全員あの赤いスポーツカーを見ています。
未だにあの車は何だったのか、
我が家の七不思議となっています。

心霊と言えるか分かりませんが、
本当に気味が悪かったです。