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国道425号線紀伊半島の和歌山県御坊市と
三重県尾鷲市を直線的に結ぶ国道
です。

直線的に結んではいるものの
険しい山岳地帯を乗り越えるため
全くショートカットにならない道路です。

7月のある日に紀伊半島まで
バイクでツーリングに出かけたのですが
悪天候の影響で主要道路の多くが
分断されてしまいました。

どうしても帰宅したかった私は
通行止情報のなかった425号線
使用することにしました。

425号に入った時刻は午後6時で
最終的に脱出したのは深夜3時頃となりました。

午後6時より雨はゲリラ豪雨レベルで激しくなり
すぐに霧が発生しました。

以後道路の全線でこの状況が続きます。
視界はゼロです。対向車は一切ありません。

たまに現れる民家も廃屋が殆どです。
もちろん街灯はありません。

カーブを曲がるたびに
何かしらの野生動物が飛び出してきました。

飛び出しと悪路のためスピードも満足に出せません。

そんな調子で6時間以上走り続けると
和歌山県側に突入しました。

和歌山県に入ると状況は更に悪化しカーブのたび
”転落・死亡””死亡事故現場”の立て看板が多く見られました。

この425号線の特徴はカーブは急で道路も狭い
かつ悪路なのにガードレールを殆ど設置していない
ということです。

そしてある右カーブに差し掛かったときのことです。

先ほど述べた立て看板を通りかかった時に強烈な視線を感じました。
その視線は立て看板の足元の崖下から感じられました。

そのカーブを通り過ぎるとすぐに普通車1台分しか通れないような
ガードレールなしの橋に差し掛かりました。

その時、何か手のようなもので右足を掴まれた感覚を覚えています。

パニックになってバイクもろともふらつきましたが幸い、
速度が出ていなかったため転倒には至りませんでした。

ふらついて仮に転倒したなら、その先は真っ暗闇の谷底でした。

右足には何もないことを確認して再出発しようとしたのですが
先ほどのカーブが気になって後ろを振り返りました。

霧でよく見えませんでしたがテールライト越しに
人影らしきものが浮かび上がっていました。

その影に恐怖を感じあとはとにかく逃げ出すことに
必死であったことしか覚えていません。

気がつけば市街地に脱出し
その頃に丁度燃料が切れたところで我に帰ったと思います。

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