中学2年の林間学校の時に、
群馬県にある赤城少年自然の家に2泊3日の課外活動に行きました。

日中は、ハイキングをしたり、カッターに乗ったりして
自然の中でのびのびした活動をして楽しみました。

生徒たちは、いつもと違う体験にどこかうわついていて
興奮冷めやらないまま、就寝の準備に入りました。

赤城少年自然の家の就寝部屋は両脇に畳の間があり、
その上に梯子階段で上り下りするロフトが付いていました。

40名ほどでひとり当たり1畳半ほどのスペースが与えられ、
そこで眠るようになっていました。

就寝位置はあらかじめ仲良しグループで決められていました。

なので、消灯時間になっても、どこかでクスクス、
こそこそ、話し声が聞こえてきます。

責任感の強い室長が「◯◯ちゃん、静かにして」
「おしゃべりしないで」と注意を促していました。

そんな室長に向かって、「そういう室長こそ、もう布団に入んなよ」
と注意された子が苛立って返してきました。

「あなたが、いつまでも寝ないから、私が寝られないんでしょ」
と室長がいうと「静かにしてるのに、しゃべりかけるから寝られない」
とだんだんと喧嘩腰になってきました。

このままでは収拾がつかないと思って、
室長をなだめようと布団から出てみると、
室長は、部屋の真ん中で腕を組み、仁王立ちでロフトの方を睨んでいました。

室長に歩み寄って、「もういいよ、放っておこうよ」
と小声で声をかけると、「うるさい!」とロフトからの攻撃がきます。

室長は、「もう、寝なくてもいいから横になってよ!」と応戦すると、
「さっきから横になってるわよ!」と返事が来ました。

うす暗がりの中、目を凝らして室長の目線の先をよく見ると、
ロフトからこちらをじっと見ているのは、
そこで眠るはずの子ではありませんでした。

青白い大きな顔が、こちらを見下ろしていて、
室長と睨み合いをしていた
のでした。

「あの顔、◯◯ちゃんじゃないよ、、、」というと、
血が上っていた室長も我に帰り、「ひっ」と小さな悲鳴をあげました。

すると、いつの間にか起き上がって来ていた子が室長を挟んだ反対側で、
「このことを言ったら騒ぎになるから、もう寝た方がいいよ」と囁きました。

室長と私は「そうだね、もう寝よう」とそれぞれ自分の布団に戻り、
横になりました。

私は怖くなってきて、布団をかぶって眠りました。
翌朝、室長は真っ青な顔で起きてきました。

「昨夜は、、」と言いかけると、
室長は「そのことはもう話したくない」と拒絶してきました。

それでも気になったので、昨夜、一緒に起き上がって
室長をなだめた子に話しかけると「え?」と素知らぬ顔。

騒がない方がいいと言った子もまた、存在しない子供だったようでした。

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