あれは私が大学3年生の時だった。
仲のいい後輩を何人か引き連れて心霊スポットを巡るのが
当時のマイブームであった。

東京郊外の八王子の大学に車で通っていたので、
インターネットで近くの心霊スポットを調べては肝試しをしていました。

ある時、一人の後輩が心霊スポットサイトで
ジェイソン村」という心霊スポットを見つけてきた。

場所は相模湖インターを降りて数分の場所にあるようだったので、
八王子インターからジェイソン村に4人で向かったのを覚えています。

サイトに書いてあった通りの道順通りに相模湖インターから
大きな橋を渡って目印として記されていたラブホテルを過ぎると
廃村のような場所に辿り着いた。

おそらく、ここがジェイソン村だろうと確信した。
なぜ、こんな名前がついたかと云うと何十年も前に
村の若者のが斧を持って夜中に村人を虐殺したと書かれていた。

映画のジェイソンにかかってこの名前がついたのだろう。

明かりもなく、古びた家が何件も立ち並んでいた。
私たちは取敢えず、一軒一軒家の中を散策していった。

しかし、何件回っても心霊現象のような事は起きず
「もうどこかで食事でもして帰ろうか」という雰囲気になった時である。

湖のそばだったので、廃船が一台浮かんでいた。
それなりに大きかったのも覚えている。

しっかりと屋根も付いていて階段もあったので
恐らく2階建ての船だったのであろう。

折角だったので、その船の中にもみんなで入っていった。
床はぼろぼろで今にも抜け落ちそうな状態であった。

そんな中、後輩の一人が「あれをみて」と叫んだ。
正面から赤い光が飛んできたのである。

私たちは懐中電灯を持っていたが、
そんな赤い色の懐中電灯を持っている者は誰一人として居なかった。

その赤い光は私たちの方に向かって飛んできたので必死に車に逃げ込んだ。
急いでエンジンをかけようとしたが、かからない。

焦っているのか、霊的現象なのか分からないが
全然エンジンがかからなかった。

もう、赤い光が車まで2~3メートルの所でエンジンがかかった。
ギアをバックに入れて一目散にその場を後にした。

霊的現象の後によく原因不明の高熱とか
事故に巻き込まれたりする話を耳にするが、
そういったことは一切起きなかった。

あの赤い光は斧で殺された村人の人魂だったのであろうか?
あの体験以来、マイブームになっていた心霊スポット巡りの熱は冷めてしまった。

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