東日本大震災の前のことです。

私と仲の良い友達同士で、毎年夏になると、
宮城県仙台市荒浜地区に行き、花火をして楽しむのが恒例でした。

ある時、みんなで花火をした後、
車でゆっくりと防風林のわきを走っていた時の恐怖体験談です。

突然車のヘッドライトの先に、人がさっと横切るのが見えました。
それは、若い男の人のようでした。

あ、ひかれる!と思いましたが、車は普通に走り続けました。
ふと横を見ると、同じ男の人が車のわきの防風林のところにうずくまっていました。

酔っ払いかな?と思っていると、その若い男の人は、
車のすぐ後ろを小走りに横切って、見えなくなってしまいました。

車は、そのまま走り続けていたので、その男の人がいるあたりは、
もう真っ暗で、何も見えませんでした。

一分ほどまた車で走ると、
砂浜に行くときには見なかった花束が道の横に飾られていました。

車を運転していた友達に、あの男の人ひきそうになって危なかったよねと言ったら、
その友達は誰も見なかったと言いました。他の友達も、そんな男の人は見なかったと言いました。

私は、もしかして男の人は、花束が飾られていた近くの場所で
亡くなった人かもしれないと思い少し怖くなりました。
荒浜は、名前の通り、波が非常に荒い場所です。

一年に最低5、6人の方が、波に飲み込まれて亡くなっていました。
今は、震災があり、何百人の方が一度に亡くなってしまった場所となりました。
地元では、定期的に亡くなった方のためにお祈りをしています。

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