今から10年程前の話。

私Mと親友Yと親友の彼Tと彼の親友Kの四人で
いつものように山神ダムに流れ星を見に行った。

ダムは福岡県の山の中にあり近くに民家もなく、
月が出ていない夜に行くと流れ星と満天の星空が見えるので
何もすることがないときはよく行くいつもの場所だった。

その日は7月で夜になっても暑かったのでいつものように
山神ダムに涼みに行こうと私が提案し、親友の彼Tの車で山神ダムに向かった。

Tの車はワンボックスカーでドアは4枚。

運転席の後ろの座席にドアがないので、
降りるときは助手席の後ろのドアから出入りするというちょっと面倒な車だった。

運転手はT。助手席は私の親友のY。
運転席の後ろは彼の親友のW。その横が私Mといつも決まっていた。

夜風が気持よく窓を全開にして音楽をガンガンかけてドライブ。
走り出して20分ぐらいで山神ダムに到着。

時間は23時を少し過ぎたぐらい。

さすがに山の中で人通りもなく駐車場には他に車もないが、
窓を閉め、エンジンを切った。

山道に少し酔った私が先にドアを開けて降りた。
その瞬間なまるい空気の中に入った感じがして全身に鳥肌が立った。

あまりの気持ち悪さに急いで車に乗り込み、
運転手のTに「車出して!早く!」と叫んだ。

Tはよくわからずに「え?」という顔をしていたが、
親友のYが横から手を伸ばしエンジンをかけて「出して!」と叫んだ。

そこから無言で山を下り、明るいコンビニに止まった。

Yがどうしたの?と聞いてきたので、
「いや、なんか気持ち悪くて全身鳥肌が凄くてさ」と伝えるとなんかわかるかも。
と同意してくれた。

運転手のTはそうなの?ときょとんとしていたが、
彼の親友Kは顔色が悪くずっと無言のまま。

そんなKにTが話しかけると、「俺の右肩に手が乗った」と呟いた。
「いつ?」とTが聞くと、Mが車に乗り込んできたときに。と。

Kの横にはドアがなく、
窓もない為人間の手が右肩に乗るというのは現実では無理な話。

みんなで無言になり、とりあえずコンビニで塩を買って
自分たちと車に塩をかけ、その日は解散した。

次の日、大学に行った私は、
山神ダムの近くに住んでいる友人に昨日こういう事があったんだけど、
よくあるの?と聞いてみた。

するとその友達は「え?昨日?何時に行ったの?」と驚いた顔で聞いてきた。

23時ぐらいかな?と答えると、
今日朝あそこで自殺した人が見つかったって言ってたよ。

確か死亡推定時刻そのぐらいの時間だったような…。と。

それから私たちは昼間でも山神ダムに近付くのはやめた。
もう一度行ったら呼ばれるような気がするから。

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