東京都台東区上野公園
不忍池の歴史と心霊スポットの背景
不忍池の歴史は古く、縄文時代に東京湾の入江だった場所が、海岸線の後退によって取り残されたことで形成されたとされています。江戸時代には、徳川家康の命を受けた天海僧正が寛永寺を建立する際、不忍池を琵琶湖に見立て、中之島に弁天堂を建てました。これにより、池は信仰の場としても重要な役割を果たしてきました。
しかし、不忍池が心霊スポットとして語られるようになった背景には、暗い歴史や噂が関係しています。過去にこの池で入水自殺が多発したとされ、水草が豊富なため遺体が水面に浮かび上がりにくいという恐ろしい話が囁かれています。また、戊辰戦争の際、上野の山で激しい戦闘が繰り広げられ、不忍池にも砲弾が落ちた記録が残っています。この戦乱の記憶が、亡魂が彷徨う原因とされているのです。
不忍池で語られる心霊現象
不忍池周辺では、さまざまな不思議な体験が報告されています。以下に代表的なものを挙げます。
幽霊の目撃談
夜間に池のほとりを歩いていると、女性の幽霊が水面から現れるという話があります。白い着物を着た女性が半身だけ水から出て、じっとこちらを見つめる姿を見たという証言が多く、彼女が入水自殺した霊ではないかと噂されています。
謎の音
人気のない夜の不忍池で、水面から「ポチャン」という音や、誰かが歩くような足音を聞いたという報告があります。特に弁天堂近くでこうした音が頻発し、訪れた人々を驚かせています。
写真に映る怪奇
不忍池で撮影した写真に、説明のつかない影や光の球が映り込むことがあります。特に夜間に撮影した写真にこうした現象が現れやすく、心霊写真としてSNSで話題になることも。
戦場の亡魂
戊辰戦争で命を落とした兵士たちの霊が未だに池周辺を彷徨っているとの説があります。夜になると、遠くで叫び声や戦いの音が聞こえるという体験談も寄せられています。
不忍池での恐怖体験談
今から二十年くらい前、まだ私が高校生だった頃、
夏休みの出来事です。
友達といつものように上野で集まって遊んでいると、
誰からともなく、せっかく夏休みだし肝試しでもしたいという話になりました。
とは言っても皆そんなに心霊スポットに詳しいわけでもなく、
当時集まったメンツの移動手段も限られていましたので
近場で何かできることはないかと話し合っていると、
友人の一人が先輩から聞いたという話をしてくれました。
その話というのが、いわゆる怪奇現象にあうための方法のようなもので、
池や噴水など水場の周りを複数人が二手に分かれて半周して、
半分行ったところで一度合流したあとに元来た道を引き返すと、
その帰り道で何かが起こるという、いかにもありがちなものでした。
当時の私たちは時間を持て余していましたし、
夏の夜で気分も盛り上がっていたので
万が一何か起これば面白いくらいの気分で不忍池に行くことにしました。
不忍池は池の真ん中に弁天堂のある島があり、
その島から道が京成上野駅に向かって一本、駅と反対方向に二本伸びており、
ちょうどY字の道によって池が三つに分割されたようになっています。
池の真ん中の弁天堂から出発して駅と反対方向の道を通ると
池の三分の一を回ることになり、距離も一キロ弱と長すぎず短すぎないため
私たちはこのルートで池を回ることにしました。
夜の不忍池は照明が少ないとは言っても
弁天堂のあたりはライトアップされていましたし、
駅にも近くビル街の照明もあるので真っ暗とは程遠く、
いわゆる心霊スポット的な雰囲気はありませんでした。
そのときは私も含めて六人いたので、
三人ずつに分かれて弁天堂の前から、池の周りを回りはじめました。
私のグループは左手の道を時計回りに進み、
ちょうど半分行ったあたりで右手の道を進んでいったグループを待っていました。
一周回るのに十分程度の距離ですが、
待ち始めて二十分以上待っても他のグループの三人はやってきませんでした。
仕方がないのでそのまま時計周りに進んで
弁天堂まで戻ることにしましたが途中で他の三人に出くわすことはありませんでした。
ところが弁天堂に戻ると右手に進んでいったはずの三人がいました。
私たちを怖がらせようとしてわざと来なかったのかと思い、
問い詰めようとすると、向こうの三人が私たちに、
半分行った所で待たずにどこに行っていたのだと憮然とした様子で聞いてきました。
話を聞くと、向こうも池を反時計回りに半分行った所で
私たちと同じように待っていたらしいのですが、
どれだけ待っても私たちが来ないのでしびれを切らして
そのまま反時計回りに進んで弁天堂まで来たところ、反対方向から私たちがきたのだそうです。
両方のグループとも、互いに相手がグルになって怖がらせようとしていると思い込み、
釈然としない気分のまま解散しました。
夏休みが明けても相手がいつまでも見え透いた芝居をしていることに嫌気がさして、
しばらくは友人間の空気は冷めきっていました。
結局現在にいたるまで、相手グループは嘘をついているとは認めていません。
互いに嘘をついていないとすると、
すれ違っているはずの私たちは一体どこを歩いていたのでしょうか。
当時を思い出すと言いようのない気持ち悪さを覚えます。
SNSでの話題
不忍池を訪れた人々からは、具体的な体験談が数多く語られています。例えば、夜に池の周りを歩いていた人が「突然冷たい風が吹き、背後に誰かの気配を感じた」と語ったり、友人と散歩中に「水面に人の顔のような影が映った」と驚く声が聞かれます。
XなどのSNSでは、「不忍池の電話ボックスの近くで公衆電話が突然鳴り出した」「夜の弁天堂が異様に怖かった」といった投稿が見られ、オカルト好きの間で話題に。特に「#不忍池」「#心霊スポット」といったハッシュタグで拡散され、若者を中心に注目を集めています。
不忍池を訪れる際のポイント
心霊スポットとしての不忍池に興味を持ったなら、以下のポイントを押さえて訪れてみてください。
- 夜間がおすすめ:心霊現象は夜に多く報告されています。特に月明かりの少ない日を選ぶと、より不気味な雰囲気を味わえるかもしれません。
- カメラを持参:心霊写真を狙うなら、スマートフォンやカメラは必須。フラッシュを使って夜の池を撮影してみると、意外なものが映り込むかも。
- 安全に注意:不忍池周辺は観光地ですが、夜間は人気が少なくなるため、単独行動は避け、グループで訪れるのが賢明です。
- 周辺観光も楽しむ:上野動物園や東京国立博物館が近くにあるので、心霊体験の後にリフレッシュするプランを立てるのも良いアイデアです。
不忍池に関する心霊スポット情報まとめ
不忍池は、昼間は美しい自然と歴史が楽しめる観光地ですが、夜になると一変し、心霊スポットとしての顔を見せます。自殺や戦争の歴史、幽霊の目撃談や怪奇現象が絡み合い、訪れる者に恐怖と好奇心を与える場所です。あなたも不忍池の不思議な魅力を体験しに、足を運んでみてはいかがでしょうか?
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