遠野市, 岩手県, 日本

恩徳とは民話の里と呼ばれる
岩手県遠野市の町外れにある地域の名前である。

元々、その昔この辺りは金山があり、
ある山伏二人が採れた金を持ったまま
屋敷の主人に頼み宿泊させてもらったのだが、
二人が金を持っているのを目撃した屋敷の主人が
山伏二人を殺害、金を奪った
という。

以降、この屋敷では様々な怪現象が起こる
というのがこちらの通称「恩徳の幽霊屋敷」である。

現在は建物自体は取り壊されてしまったのだが、
私は祖父母宅が遠野市にあるのもあり、
取り壊される前に何度か車で屋敷前を通ったことがある

基本は明るい時間帯に通るのだが、
沿岸地方に用事があり、
その帰り道にどうしても日没後になってから
通ったことが一度ある。

特別霊感等ある訳でもないが、
やはり一人暗い中を心霊スポットの前を通るのは
やはり気持ちが悪い

好きなアーティストの明るい曲を車中に流しながら
走行していた時、祖父母宅にいる母親から着信があった。

交通マナーがどうこうは置いといて、電話に出ると、
帰りに買ってきてほしいものがあるという要件であった。

メールでいいじゃんと思いつつ、会話していると、
もう屋敷前を通る寸前であった。

いや、逆にこのタイミングで電話してきてくれて、
なんとなく寂しさが紛れて良かったと思った瞬間、
電話の向こうの母親が突然、「え!?」と驚いている。

あまりに唐突だったので私もかなり驚いた。

何事かと思い聞くと、どうやら母親が話していると、
電話の向こう、つまり私側から私以外の声が聞こえたという。

その時ちょうど、
走っている車道と屋敷が一番近い距離であった。

鳥肌が立ちながらも誰も他に車にはいないから
聞き間違いだろうと説明していると、
また母親が「ほら!今も聞こえるじゃん!

母親には今私が屋敷の前を通っていることは伝えていない

ということは母親のいたずらとは考えづらい。
そもそもそういう悪ふざけをするような性格でもない。

電話の前にかけていた音楽かとも一瞬思ったが、
着信が来たときに電話の声がききづらくないように
一時停止しているのだ。

いよいよ、恐怖が増してきた私はとりあえず電話を切り、
なるべく外は見ないようにしてその場を後にした。

帰宅後、改めて母親に話を聞いたが、
その声は何と喋っているかは聞き取れなかったが、
やはり私とは別にあきらかに他の声が断続的に聞こえていたという。

その後特に害等は無いが、
あれからは多少遠回りしてでも別の道を通ることにしている。

後で知ったのだが、一昔前(いや、もっと前かな?)に
メディアによく出演していた有名霊能者や
現在も活躍している有名俳優もテレビ企画で訪れたそうだが、
あまりの霊力に退散したそうである。
(気になる人は調べて見てください。)

冒頭でも説明したが現在は建物自体は取り壊されていて
屋敷としては残っていないが、怨念というか
やはり霊自体はその場に留まっているのではないかと思う

面白半分では行かないで下さい。

遠野市は観光スポットがたくさんあるので、
そちらで楽しみましょう。

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