大分県の佐伯市宇目大字小野市と
豊後大野市三重町との境にある峠を三国峠といいます。

峠道は三国街道と呼ばれ、
かつては国道326号線の一部でもありました。

古くからの要衝であり、江戸時代は
臼杵藩、豊後岡藩、佐伯藩の3藩の境であったことから
三国峠と呼ばれるようになったのだそうです。

これは知り合いのNさんから、
花見の酒の席で聞いた話です。

Nさんは、いわゆる走り屋のような趣味の人で、
当時、急な坂やガードレールのない急カーブ、
見通しの悪い道が続いている大分県の峠道で
夜中に車でスピードを出して走るのを好んでいました。

三国峠の峠道で走ることも度々ありました

その日も、Nさんは、相変わらずスリルを味わい、
自身の運転テクニックに酔いしれるために、
1人で三国峠の夜道を飛ばしていました

すると、突然、男だか女だか分からない
人らしきモノが道に飛び出してきました

Nさんは急いでブレーキを踏んだのですが、
間に合わず人らしきモノを轢いてしまったそうです。

その上、そのまま峠道の脇にある木に追突しそうになりましたが、
Nさんのハンドルテクで追突だけは免れたとのことです。

Nさんは人生初の人身事故を起こしてしまったと思い、
車を降りて周辺を捜しましたが、
轢いたはずの人が見当たらなかったそうです。

人らしきモノが車ではねられた後、
森の中に飛ばされた可能性も考えて、
ひとまず、警察も呼んで捜してもらいました。

しかし、はねられた人らしきモノは見つからなかったそうです。

Nさんは、走り屋仲間から首なしライダーの話
近くの森でうめき声が聞こえたという怪談話
近くの森で自殺者が見つかったという噂話を聞いたことはありましたが、
自分が心霊体験をするとは思ってもいなかったそうです。

三国峠は要衝であるが故に、一時期は近くに山城が築かれ
西南戦争では私学校党と政府軍との戦場になった地であり、
血で血を洗った場所だけに、亡者が住まうのかもしれません。

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