広島県東広島市鏡山2丁目にある桜の名所の鏡山公園は、
かつては鏡山城という山城のあった地です。
室町時代に大内政弘により築城され、
安芸武田氏、沼田小早川氏との攻防の地となった後、
尼子経久方についた毛利元就により落城させられたことで有名です。
高校時代の後輩から聞いた話ですなのですが、
後輩は、中学生の夏休みに友人らと
面白いことを何かしようということになり、比較的金をかけずに出来る、
鏡山城の井戸を覗きにいく肝試しをすることにしたそうです。
夕方頃、中学生数人でハイキングコースを通って
井戸の方へ向かったそうです。
道中、「城跡への道は整備されておらず十分な注意が必要」
という張り紙が目についたので、足元に注意しながら進んだものの、
その割に整備されていたことと、
城だった時の名残の石積みが印象的だったそうです。
途中、空気が冷たく感じることはあったものの、
何事もなく井戸に到着したそうです。
後輩らは、噂どおり井戸から呻き声が聞こえる夜中まで待つことにしましたが、
それまで1人ずつ怪談話をすることにしました。
怪談話が何巡目か進み、すっかり夜になった頃に、
後輩の友人の1人が鏡山城の井戸についての話を始めたそうです。
毛利元就をはじめ尼子方が鏡山城を攻めるのですが、
なかなか落城させることが出来ずに膠着状態に陥ったそうです。
そこで元就が城主蔵田の叔父を寝返らせて、
城内に尼子方を引き入れるのに成功するのですが、
その際に城主の叔父の兵が、寝返りに反対した兵を斬り、
しっかりトドメを指すために井戸に投げ込んで殺害し、
井戸の底は血で溢れた・・・・という話をしたそうです。
その話が終わるか終わらないかのうちに、
井戸のある広場の上の山の方から気配を感じたそうです。
数人がこちらを睨んでいるような、
まるで殺気を含んだような気配だったそうです。
後輩や後輩の友人らはヤバイモノを感じた上に、
夜が更けた現在でも呻き声がしないので潮時と思い、
足早に帰ることにしました。
井戸に背を向けて歩き出した時に、
井戸の方から呻き声のような声が聞こえたので、
全員、後ろを振り返らずに走って逃げたそうです。
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