中学時代の先輩から角神隧道という小さなトンネルで
肝試しにいった時の話を聞いたので投稿することにしました。

新潟県東蒲原郡阿賀町向鹿瀬、
阿賀町49号線を三川から鹿瀬に向い、
459号線沿いに角神隧道があるようです。

中学時代の先輩をA先輩、
A先輩の大学の友人をBさんとして
話を進めていきたいと思います。

A先輩とBさんは、高校の頃から毎夏、
海に一緒に行ったり、海の家でバイトをする仲で、
その年の夏もどこか行こうということになったそうですが、
前年の夏での体験もあって、海に行かないことで
意見が一致していたそうです。

では、どこに行こうかと2人で相談した結果、
Bさんの地元に近い角神隧道で肝試しに行くことに決めたそうです。

どうやらBさんが角神隧道に真夜中行くと
靴音がするという噂を耳にしたようで、
昨年の体験とは縁がなさそうなトンネルで肝試しをすることにしました。

せっかく行っても何も出ないようでは面白くもないので、
A先輩とBさんは、霊と遭遇しやすい方法を調べた結果、
2人とも水を貯めた2リットルペットボトルを持参し、
Bさんはついでにモデルガンも持参して
自転車で深夜の角神隧道へ向かったそうです。

昼までも薄暗く人気もない上に、
その時はトンネルの電球が切れていたので、
トンネルの中は闇に包まれて薄気味悪さが増していたそうです。

トンネルの入り口から少し歩いたところで、
2人でしばらく懐中電灯を消して息をひそめていましたが、
何も起こりませんでした。

そこで、懐中電灯を消してBさんがトンネルの暗闇の中、
2リットルペットボトルをボタボタと音を立てながら
垂らしはじめた
そうです。

Bさんがペットボトルの水を全て垂らし切ったのですが、
何も起こりません。

そこで、次はA先輩が暗闇の中、
自分の2リットルペットボトルの水をボタボタと垂らし始めたそうです。

3分の2位垂らし終えたところで、
「やっぱ、山の暗闇でやる方法じゃダメか」

と近くにいたBさんが呟いてほどなくトンネルの出口方向から
(コツ)(コツ)と女性のハイヒールのような靴音が聞こえてきたそうです。

A先輩が「靴音じゃね?」と呟くと
Bさんは「肝試しに女でも来たのかもな」と返しました。

案外肝試しに来た人かも知れないと思い、
こちらに来るまで懐中電灯をつけて息を潜めて待つことにしました。

(コツ)(コツ)(コツ)と、段々近づいてくるようでしたが、
それとともに、思い出したくもないような臭いが徐々にしてきました。

Bさんが
なあ、A、この臭いって・・・・去年の海で見た・・・・・
とそれとなく呟いたようです。

どうやらBさんも同じようなことを考えていたようです。

A先輩は口にしたくもなかったのですが、それ以外に考えようがなく、
思わず口に出してしまったそうです。

土座衛門の臭い・・・・・」と
まだ懐中電灯で見える範囲に来ていないものの、
靴音が近づいて来るとともに、
ドンドン臭いが強くなっていくように思ったそうです。

腐敗ガスと水が腐ったような臭いが・・・・。

嫌でも去年の夏に見たパンパンに膨れて
緑色になった遺体を思い出さずにはいられなくなった
ようです。

同じことを考えていたかは定かではありませんが、
Bさんはモデルガンを靴音のする方向へ撃ちこみ始めたそうです。
何発も何発も。

(コツ)(コツ)(コツ)(コツ)

しかし、モデルガンを撃ちこんでいるにも関わらず、
こちらに怒声も悲鳴も聞こえることはなかった
ようです。

ただ、靴音は、ペースを速めることも遅くなることもなく、
確実に近づいてきたように思ったそうです。

懐中電灯の明かりで見える範囲には
まだ何も見えてなかったそうですが、
耐え難い臭いもドンドン酷くなる一方だったようです。

もうこれはヤバイと思ったA先輩も、
恐らく同じように思っていたはずのBさんもどちらが先ともなく、
459号線のあるトンネルの入り口の方へ走っていき、
自転車に乗って、Bさんの家の方へ逃げ帰ったそうです。

幸い、足音もあの臭いもBさんの家まで
ついてくることはなかったと言っていました。

A先輩もBさんも家の入口に着くとへたり込んでしまいましたが、
その時、「うかつだった。トンネルを抜けた先は阿賀野川で、
近くには鹿瀬ダムもあったわ。チョイスミスだわ」と
Bさんは悔やんでいたそうです。

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