日本三大鍾乳洞の一つ、
岩泉町の龍泉洞は未だにその全体像が謎に包まれています。
1968年に地底湖を調査していたダイバーが亡くなり、
その後調査が行われることはなく、
実際に洞窟がどれだけの規模なのかは不明のままなのです。
よく知られた『パワースポット』『恋人たちの聖地』、
そんなロマンのある観光スポットとしての姿も、
龍泉洞の一面でしかないのかもしれません。
Rさんが龍泉洞に入ると、
洞窟内に設置された温度計では、
外の温度と較べて7度低く。
写真に光の玉が映ることがあるパワースポットと聞いていましたが、
スマホを取り出すよりも、
体をこすって少しでも熱が欲しいと。
展示物やライティングされた光景なども、
立ち止まると寒いので、
次々と洞窟内を進んでいきます。
そんな調子で次に移動しようとすると、
友人の一人がその場にへたり込んでいて、
声をかけても「あー」とか「うん」とか力ない返事が返るばかり。
友人のほっぺたは真っ赤で、
温度差で熱でも出たのかと、
Rさんたちは簡単に考えていました。
友人を支えながら洞窟を出て、
少し様子をみると落ち着いたようで、
力が入りきっていないようですが、
ほっぺたの色は落ち着いていました。
友人の体調のことがあるので、
帰りは休憩を多めにする予定で出発。
程なくして友人が眠ったようなので、
会話も控えめになり、
スマホを見たりしながらRさんたちは道の駅に。
そこで友人の顔を見ると、
今度は顔から血の気が引いていて。
Rさんにはそれが、
棺桶に入る前の祖母の顔色と重なって見え、
思わず大きな声で友人の名を呼びます。
Rさんの声に目を覚ました友人は、
ここどこ?とのんきなものですが、
おかげで車内の緊張が一瞬でとけたのだそうです。
霊感があるとパワースポットで気分が悪くなることがある。
Rさんはそんなことを何処かで聞いていたのを、
龍泉洞からの帰り道に思い出したのだそうです。
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