〒869-0322 熊本県玉名郡玉東町原倉2334

私が玉名郡玉東町の吉次峠吉次公園)に訪れたのは、
私がまだ学生のころのことでした。

そのときの私は、実写映画化された、
幕末後の明治時代という設定の漫画にハマっていて、
それがきっかけで知り合った人たちにさそわれて、
西南戦争に関係する場所として吉次峠を訪れたのです。

漫画に関係が深いのは京都なのですが、
私いがいの人たちはもう何度も京都に行っていたので、
私が誘われたのは変わり種の旅行でした。

話がそれましたが、西南戦争最後の激戦地・田原坂から南、
県道113号線から山に入った場所にあるのが吉次峠です。

当時最新鋭の大砲が運搬できたのが田原坂で、
吉次峠は地獄峠と呼ぶほどの激戦が繰り広げられた場所で、
物量で劣る薩摩軍の中には、少年の姿もあったそうです。

今では、あたりには果物が植えられ、果樹園やいちご園として楽しめ、
私たちも直販場に立ち寄って、季節の果物を使った
ソフトクリームを食べることにしたのです。

でも、おいしかったのは最初の数口だけで、
急に味が感じられなくなってしまいました

そんなバカなと思って、ソフトクリームを口に入れても、
冷たいクリームやフルーツのソースにも味はなく。

コーンをかじっても、
砂のような気持ち悪さしか感じられません。

熱はなかったのですが、
峠を歩いていたこともあって、
疲れているのだろうと。

その日は予定を変更して、
予約していた宿で休むことになりました。

多くの命が失われ、
薩摩・官軍どちらの幽霊も目撃されている吉次峠

そこで不思議な事が起きたこと、
旅行に誘ってくれた人たちは盛り上がっているように見えました。

旅行の予定を変更させてしまったのに、
宿について少したったら味が戻ってきて、
私が申し訳なさに落ち込んでいたのもありますが、
念のためと次の日の予定も変更して、
神社にお参りをすることになりました。

これまで何事もなく過ごせていますが、
ソフトクリームを口に入れたときの、
重量感のある空気を舌でかき混ぜているような感触は、
これからも忘れられないと思います。

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