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山中湖のほとりには、
SS寮と呼ばれる廃墟『洗心寮』があります。

地下に巨大な金庫がある廃墟として有名で、
あちこちの壁にはグラフィティが描かれ、
この場所に多くの人が訪れていることがうかがえました。

洗心寮はバブルの熱狂が最高潮に達したころに建てられた、
三洋証券の保養所だった場所ですが、
強い恨みの残る場所でもあるようです。

三洋証券は多数の中小証券会社を吸収しながら拡大を続け、
世界最大のトレーディングルームを作るなど、
バブルと共に大きく膨れ上がった証券会社でした。

山中湖のほとりにホテルのような社員寮を作るなど、
外からは順調に業績を伸ばしているように見えていましたが、
バブルが弾けたあとに三洋証券に残されたのは、
多額の不良債権だけでした。

日本中で金銭にまつわる恨みが渦巻いていた時期だけに、
洗心寮で何があったのかはあまり多くは語られていません

洗心寮ではさまよう幽霊の姿が目撃され、
心霊写真としか思えない写真も撮影されているようです。

これは建物の外にある、
地面に空いた肩幅ぐらいの四角い穴から続く、
金庫とは別の地下へ降りる階段での出来事なのですが、
その穴の中は水が上の方までたまっていて、
何かの設備へ降りるための階段のようですが、
のぞき込んだだけではよくわかりませんでした。

穴にたまっていた水は、あまりいいニオイではなく、
そこまで中をのぞき込むつもりはなかったはすなのに、
穴の中からリンゴのようないい匂いがした気がして。

そのニオイの正体がどうしても知りたくなったんです。

穴の中をもっとよく見ようとして、
やめろと友人に止められるまで、
穴にたまった水に顔や体をどんどん近づけていました。

どうしてニオイにあんなに執着したのか、
自分でも不思議でしかたがありません。

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