〒401-0502 山梨県南都留郡山中湖村平野2294

山中湖のほとりには、
SS寮と呼ばれる廃墟『洗心寮』があります。

地下に巨大な金庫がある廃墟として有名で、
あちこちの壁にはグラフィティが描かれ、
この場所に多くの人が訪れていることがうかがえました。

洗心寮はバブルの熱狂が最高潮に達したころに建てられた、
三洋証券の保養所だった場所ですが、
強い恨みの残る場所でもあるようです。

三洋証券は多数の中小証券会社を吸収しながら拡大を続け、
世界最大のトレーディングルームを作るなど、
バブルと共に大きく膨れ上がった証券会社でした。

山中湖のほとりにホテルのような社員寮を作るなど、
外からは順調に業績を伸ばしているように見えていましたが、
バブルが弾けたあとに三洋証券に残されたのは、
多額の不良債権だけでした。

日本中で金銭にまつわる恨みが渦巻いていた時期だけに、
洗心寮で何があったのかはあまり多くは語られていません

洗心寮ではさまよう幽霊の姿が目撃され、
心霊写真としか思えない写真も撮影されているようです。

これは建物の外にある、
地面に空いた肩幅ぐらいの四角い穴から続く、
金庫とは別の地下へ降りる階段での出来事なのですが、
その穴の中は水が上の方までたまっていて、
何かの設備へ降りるための階段のようですが、
のぞき込んだだけではよくわかりませんでした。

穴にたまっていた水は、あまりいいニオイではなく、
そこまで中をのぞき込むつもりはなかったはすなのに、
穴の中からリンゴのようないい匂いがした気がして。

そのニオイの正体がどうしても知りたくなったんです。

穴の中をもっとよく見ようとして、
やめろと友人に止められるまで、
穴にたまった水に顔や体をどんどん近づけていました。

どうしてニオイにあんなに執着したのか、
自分でも不思議でしかたがありません。

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