出雲大社から見て北東の方角、
JR出雲市駅から車で4~50分ほどの場所に、
猪目(いのめ)という小さな港町があります。

猪目は山と海のすきまにある町で、
一見すると普通の港町なのですが、
船着き場として利用しているのが、
山を切り裂いたような大きな洞窟
です。

猪目洞窟と呼ばれるその洞窟は、
漁船が並び足元に資材がちらばる様子からは想像ができませんが、
偶然発見されるまでの1000年以上の間、
この洞窟は死者たちが住む国
でした。

昭和23年の漁港拡張工事で洞窟前の土砂が取り除かれ、
多くの白骨が眠る洞窟が発見され、
白骨が身につけていたた装飾品から、
弥生・古墳時代の墓所
ということがわかります。

さらに調査が進むと、
猪目洞窟とよばれるこの場所は、
出雲の風土記に人が立ち入ってはいけない、
洞窟に入る夢を見た人は死ぬと記された場所
でした。

Mくんが高校生のとき、
先輩に誘われたドライブで、
猪目洞窟の前を通ったのですが、
国道23号線から鋭角に空いた黒い穴を見た瞬間。

体の奥から込み上がって来たものをおさえられずに、
Mくんは先輩の車の中で吐いてしまいました

山肌をそうように走る道路とはいえ、
それまでなんともなかったのに、
猪目洞窟を見た瞬間に体が急に熱くなって。

それが当たり前のように、
自然と胃の中のものが逆流してきたのだそうです。

出雲大社から見て北東は、
鬼などの良くないものがやってくる鬼門の方角

古代には黄泉へ続くとも考えられていた洞窟は、
船置き場として日常に溶け込んでいるように見えても、
特別な場所にはかわりがないのではないでしょうか。

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