鳥越城跡映画『BALLAD 名もなき恋のうた』のロケ地で、
私の住んでいるところからなら、
車で日帰りで行ける場所にありました。

乗用車で突っ込んでもビクともしなさそうな、
それぐらいブ厚くて堅いのがお城の門だと思っていたのですが、
田園を見下ろす鳥越山に作られた鳥越城の門は、
道具があれば数人でどうにかできそうな、
頼りなさがある木製の門でした。

国史跡に指定されている、
県を代表するような史跡にしては、
貧相だなというのが正直な感想です。

ですが、
鳥越城は権力を持っていない農民がつくった城なのですから、
そう思うのもしかたないのかもしれません。

武装した農民たちが集まり、
大名や権力者に対して戦いを仕掛けた一向一揆は、
一向宗(仏教の一派)の信者たちが中心になっていました。

鳥越城があった白山市三坂町のあたりは、
一向宗の信者が多く、
一向一揆の拠点のひとつとして作られた城が鳥越城でした。

武器を手にしているといっても、
一向宗の信者たちは戦闘の素人です。

鳥越城に立てこもった一向宗の信者たちは、
織田信長の家臣の柴田勝家率いる軍勢によって、
鳥越城と一緒に最後のときを迎えてしまいます。

バイト先の同僚Aから、
○日のシフトをかわってほしいと電話がきたのは、
そんな鳥越城跡の駐車場についてすぐのことでした。

Aの声が小さくなったり、
通話が途切れるような感じになったり、
山の上だから電波が悪いぐらいに思っていたのに。

電話の向こうのAには、
私が祭りかなにかの騒がしい場所にいたと思っていたと聞いたのは、
少し後になってからでした。

鳥越城跡には、
一向宗の信者だと言われる人影を見たというウワサがありますが、
通話の不調もこの人影となにか関係があるのでしょうか。

関連する心霊情報